甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道2

メーカー -- セガ
ジャンル -- フルボイスRPG
ハード -- ニンテンドーDS
画面を見ないでの操作性 -- ほぼ完璧。(ただし、一部で再起動操作が必要。
レビュー提供:くぼっち様
攻略サイトの情報をいただきました(Kさんありがとうございます)。ぜひ目の代わりにご活用ください。

 このゲームは、
ゲームセンターに置かれている甲虫王者ムシキングを題材にした
rpgです。
最初に、ゲームセンター用の話を簡単にします。
 甲虫王者ムシキングの遊び方は、
ムシカード1枚と、
打撃技(グー)、はさみ技(チョキ)、投げ技(パー)の4枚のカードを
ゲーム機でスキャンすることでプレーできます。
この4枚のカードの組み合わせを、「ベッキ」と呼びます。
カードを持ってない場合は、ゲーム機にお金を入れると、
上記4枚のうち1枚が出てきます。
ムシカードには、世界各地に生息する虫の写真がプリントされています。
これだけでも子供たちの興味を沸き立たせており、
コレクターもいるようですし、子供たちの虫に対する興味も広がったと
言われています。
そのムシカードをゲーム機でスキャンすると、
そこに描かれた虫が、個性ある架空の鳴き声とともに画面に登場します。
技カードには、その虫の動き(攻撃)と効果音があらかじめプログラムされています

プレーヤーは、相手(一人プレーの場合はコンピュータ)が登場させた虫と、
ジャンケンバトルを繰り広げ、
勝ったほうが、ベッキのグーチョキパーの技によって
相手の虫にダメージを与えます。
もちろん、相手がグーチョキパー、どの技カードを出したかは、
実際に攻撃が始まるまでは知りえないことになっていますので、
後出しジャンケンみたいなせこいことはできません。

一匹の虫には、打撃技、はさみ技、投げ技のいずれかに、
得意技があり、それを出すと、
相手に大きなダメージを与えます。
これを「必殺技」といいます。
また、その必殺技と技カードで選んだ技とが一致すると、
「超必殺技」として、さらに強いダメージを相手に与えることができます。
さらに、技カードの中には、「スーパー」という言葉がついたものがあります。
たとえば「スーパートルネードスロー」という技があります。
カブトムシの必殺技が「トルネードスロー」なので、
もし「スーパートルネードスロー」という技カードを持っていたら、
それをカブトムシのムシカードと組み合わせて使うと、
一発で相手を品詞に陥れる「究極必殺技」を出すことができます。
また、その必殺技を防御したり、
瀕死の状態から回復させたり、
仲間の虫たちを登場させて、実際の倍のダメージを与える
特殊技カードもあり、
うまくそれらを組み合わせて使うことで、
どんどん強くなっていくわけです。
相手の体力を0にしたほうが勝ちで、
どちらかが2勝したらゲームオーバーとなります。
なお、各技カードには、
それを使うのに必要なテクニックの値があり、
ムシカードの許容テクニックの範囲内で組み合わせないと、
技を出してもうまくダメージを与えられないので、注意が必要です。
このムシキングですが、
それぞれの虫ごとに鳴き声があり、
登場した時とジャンケンに勝った時にほえるので、
カード情報さえわかれば、全盲でもゲームセンターで遊ぶことができます。
 ここまでは、ゲームセンターに置かれているムシキングゲームの話で、
これからはいよいよDS版のムシキングの話です。
前置きが長くてすみませんでした(汗)。
このゲームは、上記のムシキングをプレーする子供たちを題材にしたrpgです。
主人公は、ムシキング王国である羽田シティに住む小学生。
ある日、その町のムシキング研究所のデブ博士が
邪悪組織・ワルキング団によって誘拐された。
プレーヤーは、仲間とチームを組み、敬愛するネブ博士を助けるべく、
様々な町を探検しにいく。
そこには、数々の試練が待ち受けています。
ネブ博士誘拐の目的はいったい何なのか、
そしてあなたは、邪悪な組織、ワルキング団を壊滅させ、
ネブ博士を助けることができるでしょうか。
画面に表示される文章や選択項目の全てを
DS内臓のスクリーンリーダー
(おそらく富士通製音声と同じ種類)で読み上げてくれるので、
音を聴くだけで遊べます。
さらに、rpgに必須のマップ(自分の行き先を決めるためのツール)では、
カーソルを動かすごとに音声で知らせてくれますし、
「イベントあり」としゃべるところにカーソルを合わせて決定すれば、
ストーリーを順序良く進めていけます。
また、他の選択項目、
さらには名前の文字入力の際も、確定した文字を音声で知らせてくれます。
 キー操作は、aボタンが読み進め、
bボタンがエスケープ、
右矢印ボタンが投げ技、
上矢印がはさみ技、
左矢印が打撃技、
タッチ画面の下フレーム中央から上に2センチほどが、
ベッキ作成です。
上記のムシキングの遊び方で説明した4枚のカードの組み合わせを、
あらかじめデータとして作って保存しておき、
いつでもロードできます。
l、rボタンで、
ベッキ作成時のカードの並びを変更できます。
(注意 -- もし「イベント有り」表示がないときは、
一度羽田シティに戻るか、
 それでもないときは、自分の家に帰って一夜を明かしてください。)
 このゲームを画面を使わずにプレーする場合、
再起動操作が必要になる部分が一箇所だけあります。
それについて最後に触れさせてください。
 このゲームの舞台となる町にはゲームセンターがあり、
イベントマークが表示されていないときでも、
そこに行ってムシキングをプレーして、
あらかじめ自分の腕を上げておくこともできます。
その時に少し不便さが生じます。
ゲームセンターは、おおよそ正方形が斜めになったレイアウトになっていて、
左上側の壁に沿って3台のムシキングマシーンがあります。
その前を、子供たちがうろうろと順番を待っています。
ゲームセンターに入ったら、カーソルでとにかく上の方に移動します。
何も音がしないので、最初はよくわからないかもしれませんが、
時々立ち止まってaボタンを押してみましょう。
何かしゃべったら、自分の正面に子供がいるということです。
子供を押しのけて進むことはできないので、
歩く方向を変えてみましょう。
最悪四方八方を子供たちに取り囲まれることもあるのですが、
臨機応変に対応してみてください。


aボタンを押したときに、
「ポン」というチャイム音がすると、
自分の順番が回ってきたことになるので、
その後は音声に従って操作してください。
 次に、ゲームセンターからの退室ですが、
出口が左下の壁にあります。
しかし、ここまでたどり着くのが、
画面を見ない環境では曲者です。
特に、所持金がなくなった場合はこまったことになります。
ですが、取って置きの方法があります。
ムシキングゲームを終えたら、
一度DSを再帰動詞枡。
そして、今自分がやっていたデータを起動します。
そうすると、最後に行ったゲームのラストコメントが再生されますので、
aボタンを2回押してゲームセンター画面に戻ります。
そうすると、あら不思議、自分はゲームセンターの入り口付近に立っているので、
次のように操作します。
左長押し3秒、
左・下キーの同時長押し3秒、
そして下キーを長押しすると、
「またムシバトルしようね。ばいばい。」と行って、
羽田シティーのマップ上に出てこれます。
これで、次の行き先を決定してください。
 なお、イベントマークの表示されていないゲームセンターに入る場合は、
あくまでも腕を鍛えるという扱いになるので、
ストーリーの内容には影響しません。
また、ストーリーの中でイベントマークに従って入ったゲームセンターからは、
自動的に出る気事ができるので、心配は要りません。
というわけで、内容をお読みいただいてお分かりいただけたかと思いますが、
正真正銘のバリアフリーゲームソフトなのであります。
ただ、メーカーサイドでは、品薄になりつつあるようです。
私も、あるMLでこのソフトのことを知り、
かなり苦労して入手しました。
これほどしゃべる一般向けのゲームソフトは他にはないし、
この先かなり長い間こういうのは出てこないことも予想されるので、
視覚障害者ユーザーが増えれば
メーカーももっと積極的に出荷してくれると思うので、
ご紹介してみます。

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サイト管理人より

ご寄稿ありがとうございます。
ファミコンの昔から、ゲームという遊びは「取っつきやすさ」を突き詰めるためのわかりやすさと、それをおもしろさに昇華させる工夫を積み重ねて進歩してきました。
ですから、ただの必要性を超えた理由でこうしてよくしゃべり、それが情報を確実に伝えるわかりやすさにつながるゲームが発売されるという流れはとても自然なことのように思われます。
思われるのですが、それに該当する好例を探すのはとても大変なこと。毎週毎週必ず5~10本以上ソフトが発売されている昨今を考えるにすべてを網羅することは現実的に考えると困難を極めます。
であればこそ、こうした情報がこうしてネット上に公開されることにはとても大きな意味があると思います。
またおもしろいタイトルが見つかったらぜひ教えてください。
私も今回のサイトリニューアルをきっかけに再度ゲーム紹介文のひねりだしを再開したいと思います。
こうして遊びやすいタイトルの情報がどんどん増えてくることを願います。


2010年7月25日 By 管理人



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