SoundVoyager
ハード:ゲームボーイアドバンスのカセットが使えるもの全て
定価:2000円
備考:ヘッドホンによるプレイを推奨
(ゲームボーイアドバンスSPでヘッドホンを使用する場合、別途接続コネクタを購入する必要があります)
今までこのサイトでは、どうしたら目を使わなくてもゲームが遊べるのかというテーマで何個か文書をつくってきました。
今回は久しぶりにそういうことを考えなくてよいケースです。私的には、いつの日か、全くそれらを気にせず文書を書ける時が訪れるように願ってやみません。
さて。視力に障害のある人間、特に全盲の人間は如何にしてテレビゲームをプレイしているのでしょうか。
結論を申しますと、画面に表示される「映像」を除く全ての情報を頼りにプレイしているのでございます。そして、その情報だけでプレイできるというゲームが任天堂から発売されてしまいました。
それが本日紹介いたします、"SoundVoyager"です。
概要
SoundVoyagerは、音をテーマにしたアクションゲームです。
これはオムニバス形式のアクションミニゲーム集となっております。ちょっとちがいますが、メイドインワリオ。あれをゆったりさせたものをイメージしていただければそう間違っていないと思われます。
操作に使うのは十字キーの左右とAボタンの3つだけ。(LRボタンで十字キーの左右と同じ操作ができます。)
下記のミニゲームが収録されております。
・sound catcher
本作のメインとなるゲームモードです。
前方から迫ってくる音をセンターにとらえて次々とキャッチしていきます。
聞こえてきた音が真ん中にくるように自機をうごかしましょう(左右キーかLRボタンで移動)。
しばらくすると、その音をキャッチしたことを示す効果音が鳴ります。
そうすれば成功。次の音が出現していますので、また探して同じ手順でキャッチを続けます。
音はキャッチすればするほど重なっていき、いつしか音楽を奏で始めます。
ステージ内にある全ての音をキャッチすればクリアです。
・sound drive
5車線アル道路を逆走するゲームです。
前方から車などがやってきますので、左右キーで車線を切り替えて避けましょう。
Aボタンはアクセルです。押しながらプレイすることでタイムを縮められます。
・sound chase
基本的にSound Driveと同じですが、このゲームでは逃亡車をAのアクセルを駆使して追いかけることになります。
Aで加速しつつ逃亡車の音が画面中央に来る状態をキープすれば捕縛成功です(時間制限あり)。
・sound cock
広場で鶏を捕まえるゲームです。
左右で方向転換、Aボタンで前進。制限時間あり。
・sound slalom
2つの音によりつくられたゲートを順番にくぐっていくゲームです。
2つある音の真ん中をくぐるようにしましょう。
左右で移動、Aで加速、制限時間有り。
一定数のゲートをくぐるとクリア。
・sound cannnon
回転できる固定砲台となって、迫り来る敵を撃ち落とすゲーム。
左右で方向転換、Aボタンで攻撃。
敵に接触されるとゲームオーバーになります。
・sound picker
。広場状のステージにある複数の音源に体当たりしていくゲームです。
左右で方向転換、Aで前進します(時間制限有り)。
全体操作
ゲーム本編は次の流れで進みます。
1.まず、Sound Catcherをクリア。
2.分岐が出現するのでどちらかを選ぶと、その選択に対応したゲームを遊べる。
3.それをクリアするとまたSoundCatcherが始まり、
4.以下くりかえし。
そして、いつしかエンディングに至ります。
分岐があることからもわかるように、いろいろなルートが存在しまして、構成としては1ルート1ゲームとなっております。
それぞれサウンドキャッチャーを挟んで3段階の難易度に腸腺していきます。
1度でもクリアしたステージはあとから何度でもプレイできます。
おわりに
収録ゲームは本当に音にのみたよって遊ぶものばかり。
視力障害の有無にかかわらず、これはぜひ1度触れていただきたい世界です。今まで経験したことのない遊びができることでしょう。
1つでもルートをエンディングまでプレイすることでSoundCatcherのリミックスが遊べるようになります。これは自分の好きな音だけをまぜてあそべるフリーモード。うまく活用すれば環境ソフトとしての役割も果たします。
遊び手によって世界が無限に広がるすばらしいゲームソフトです。
ただ、購入前にちょっとだけ注意していただきたいことが。
まず、このソフトは2000円です。従って、ものすごいボリュームはありません。ゲームをやり慣れている人だと、結構簡単に全クリできてしまう可能性があります。
それと、ほとんど映像を用いていないというゲームの性質上、かなり人を選びます。
こういう作品は、99年に出た風のリグレットDC版以来、実に7年ぶり。ひょっとすればここから「目を使わないでも遊べるゲーム」が広がっていくかもしれません。
あるいはここでまた流行らずに消えていくにしても、これがミニゲーム集として面白いという記憶が一人でも多くの人に理解され広がっていけば、いつしか目をつかうつかわない関係なくだれでも遊べるゲームとして、更にすばらしい作品が現れてゆくことでしょう。
このソフトは手と頭をつかってあそぶ、紛れもないゲームソフト。そして最低クリアまでならば、ほどよい緊張と達成感を甲午に、そして絶妙のタイミングで味わえるかなり高バランスのソフトでもあります。
ですので、みなさん。よろしければぜひ遊んでみてください。肌に合えば合計4時間は確実に楽しい時間が過ごせることを保証いたします。
ワンポイントアドバイス*
1.本作はオートセーブです。ステージをクリアするか、中断することで自動的に記録されます。
2.左右の耳の聞こえ方が違う場合などは、オプション画面(ゲームセレクト画面の一番下)を選び、左右キーを押すことで、音の中心をずらすことができます。状況に応じて設定を変更してください。
なお、初期設定へは、
オプション画面を開き、
下
A
上
A
と入力することで戻せます。
3.ステージセレクトの画面なのですが、これがちょっとややこしい。
基本的には下が根になっており、そこから上、左、右に行けば行くほど先のステージとなります(つまり樹形図)。
枝状になっている分岐をカーソルでたどることになるので、目的地に到達しにくいこともあるかもしれません。
ですので、メニュー画面の構成にたよらずステージをすべて出現させようと思った場合は、次の手順を行ってください。
1.出現していないミニゲームの手前に存在したSoundCatcherをプレイする。
2.クリアしたら、まだ選んだことのない分岐を選択する。
3.そのままそのルートのクリアまでつっぱしる。
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