絶対迷宮グリム ~七つの鍵と楽園の乙女~

ハードPSP / PC
ジャンル恋愛アドベンチャー
備考主人公含めフルボイス、一部モノローグボイス付き
選択肢は時間制限あり

はじめに

本作は、ハーメルン、赤ずきん、カエルの王子、いばら姫、ラプンツェル、白雪姫、シンデレラ等々様々なグリム童話作品が同時に存在する世界を舞台に自身の運命を切り開いていく主人公達の生き様を描いたノベルタイプのアドベンチャーゲームです。
途中現れる選択肢(時限式)を選び、分岐する物語を楽しみつつハッピーエンドを目指す。気負わず楽しめるオーソドックスなゲームシステムです。

特徴

本作最大の特徴はその雰囲気作りへの拘りです。
グリム名作劇場(アニメ版)のような雰囲気で描かれるゲーム内世界の描写は1つ1つ原作愛に溢れていて、それが互いに関連を持つというスーパーロボット大戦的キングダムハーツ的楽しさも出色にて、オリジナルキャラである主人公を軸とした物語そのもののプロットが起伏に富んだ内容なのと合わせてぐいぐいと物語内へとプレイヤーを引き込んでくれます。

台詞全般がよい意味で劇調なのも、本作へ童話な空気を醸成している大きなポイントです。まさに今、そんな本を読んでいるのだという実感に深く自然に浸りながら遊ぶことが出来ます。
加えて手動プレイでのメッセージ送りSEがページを捲る音なのに始まり、BGMはまさにグリムという空気に満ちあふれた、主旋律も灼かな印象深い曲ばかり。そういった要素も本作の楽しさ面白さを引き立てています。

BGMについて

グリム童話を題材とした朗読CDやアニメはいくつもありますが、そこで貴重とされているあの明るくももの悲しい、そして明快なメロディにより紡がれた音楽の数々には独特の共通性があったように思われます。
筆者もまだ童子だった頃、よくアニメやカセットテープ(懐かしい)で原作へと親しんだのですが、そこで培われた記憶が本作プレイにより要所要所で呼び起こされ、初めて遊ぶタイトルなのにえらいノスタルジー、郷愁のようなものを感じて小さくない感動をおぼえたのが思い出されます。
その最も大きな要素が本作の音楽でした。こっちのアリスちゃん然り、原作の雰囲気を大切にした音楽へ彩られたゲームを遊ぶとそこからもうプレイヤーであるこちら側にも、喜ばしい思い入れが形成されるように思えてなりません。

アドベンチャーゲームとして

本作には少し分岐条件の難しい部分があります。
序盤、心理テストの如く主人公の人生観を続けて問われる場面があり、そこでの選択結果により彼女の「潜在意識」が決定されます。それが巡り巡って本編の内容…即ち攻略対照との縁故に関係が生じてくるという流れ。ここはその相関が比較的分かりにくい場面です。
加えて1度グッドエンドを見て以後の周回でのプロローグ終盤、ある書物を読むか否かを問う選択肢が出現。ここは物語の根幹自体が大きく変化する場所で、そのどちらに目当ての相手と結ばれるルートがあるかがその時点ではノーヒントであるというのも難しい点です。

これはこうした種類のソフトを遊ぶ楽しみを削ぐ恐れのある方法ですが、例えば攻略サイトを閲覧しながら進める…というプレイも1つの接し方のように思います。

終わりに

圧倒的な雰囲気の魅力を持つ本作であります。
勿論音楽やテキストから漂う童話らしさがその大根本と確信されるのですが、その接着役を担っているところの主人公ヘンリエッタちゃんの人物が、それと同じ程に大きく根本的な要素に思います。
彼女の素朴さ天然さ純粋さ強さ弱さ素敵さ可愛さ遍く、本作の宝であります。

そのキャラが純であればこそ、それが魅力的だからこそ漂う本作全体のポジティブ(楽観ではない)な空気には確かな真実味があったのです。彼女のそうした魅力が発揮される場面は数多くあるのですが2週目より突入できるシンデレラをモチーフにした『ときめきの舞踏会』」と題されたシナリオ。後にシンデレラと結ばれる王子にとある人物付けがされていて、その結果話の序盤にヘンリエッタと邂逅することになるのですが、それがこの章の結末に関わる伏線になっている。原作の内容を知る程にここのクロスオーバーには胸打たれることと思います。詳しくはネタバレなのですが、目から鱗の落ちたというか、ヘンリエッタだからこその話となったというか。ともかくぜひ多くの人に一度見ていただきたいインパクトに溢れたシーンでした。

インパクトといえば本作に出てくるラプンツェルが凄い。なんとものすごいゲオタであります。…親近感という意味で本当圧倒的で、しかもですよ彼女とヘンリエッタちゃんとの結ばれる百合ルートも最初から突入出来る案配で設置されておる案配で、そのあまりに面白い人物っぷりにまさしく一目惚れいたしました筆者は最初に彼女をば攻略、中途挟まる彼女のゲーム談義に心底頷きつつのプレイングはとてもとても楽しくございました。
…語る程に俺とラプンツェルな随筆と化す危うさある話題ですが、それはそれとしてその導入が楽しかったのがとても大きなモチベーションになったように思います。

そうして他のルートも遊ぼうと志しながらなお続けていく内、そういえばヘンリエッタちゃんいい子だなとか音楽いいなとか、そうした方面にも思い至りつつ遊びながら、いつしか抱いた思い入れはとても大きくなっていた。そしていつしか本作は思い出に残るゲームとなったのです。

ぜひこの感覚を、ひとりでも多くの方へ味わっていただきたい。そう思わずにおれないそんなタイトル。
童話の内包する教訓、夢、そして残酷さ。それらを遍く含んだ本作の内容から漂う面白さは程よい深刻さを含みます。だからこそヘンリエッタちゃんの人物がより輝き、双方向的な楽しみが生まれているように感じます。本作を遊んだ後で、例えば青空文庫で公開されている原作へ触れてみる、例えばグリム名作劇場(アニメ作品)を見てみる、例えば「本当は恐ろしいグリム童話(桐生 操 著)」など読んでみる。そんな様々な切っ掛けへと繋がる作品にも思いました。

グリム童話、そしてその雰囲気のお好きな方、ぜひ本作をお手にとっていただけましたら幸いです。
  それでは、今日はこの辺りにて。



視覚補助情報

ゲーム中操作方法

縦3項目×横2列。上下左右共循環あり 下表のとおり、Saveの右がStatusになります

Save
Load
Exit
status
config
back

config

上下循環、左右突き当たる

save

ファイルを方向キーで選び丸で決定。
上書き保存はファイルを選んだ後で 丸 左 丸

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ファイルを選んで丸


おかいもの

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