聖闘士星矢戦記

開発ディンプス
ジャンル3DACT
ハードPS3
備考主要シナリオはフルボイス 追加ミッションは戦闘シーンのみフルボイス

はじめに

本作は、漫画原作で同時並行でアニメ化され、OVAのシリーズが現在も続いている長寿シリーズ「聖闘士星矢」のアニメ化25周年を記念した作品です。
まあ、ここでくどくど書くのもあれですので公式サイトのPVなどご覧になって、だいたいこんなゲームなのかと了解してみてください。
そして購入しようと思われた時、やたら「ペガサス幻想」の歌ばかり多用されているなぁという事実に気づいて一抹の不安を抱いてみて下さい(詳細は後述)

概要

聖闘士星矢は複数のシナリオの連続でできている物語ですが、中でも特に有名な「聖域十二宮編」を部隊とした奥スクロールの3DアクションRPGです。
道中出てくる雑兵を掃討して次へ進んでいくというフローの繰り返しはベルトスクロールアクションのルールを思い起こさせ、最近だと閃乱カグラに近いプレイ感です(あちらは右へ右へと移動する仕組みでしたがこちらは奥、つまりスティック上の方向に進んで行きます) → だいたいこんな感じ
ストーリーモードではステージクリア時、ミッションモード(シナリオの無い自由にプレイできるモード)は各コース終了後にリザルト画面となり、経験値とコスモポイントが手に入ります。
経験値取得によりそのとき使用していたプレイヤーのレベルが上昇し、貯めたコスモポイントを用いてステータス強化や必殺技強化、スキルの購入などが行えるリザルト画面に遷移します。
これがかなり面白く、必殺技を強化すればただ攻撃力が増すばかりでなく必要ゲージ量が減ったり、エフェクトがより派手になったりヒット数が増えたり、使っていて明かな手応えがある部分に関係する強化を施せるので遊んでいて実に楽しく感じられるのです。
そのレベルも各キャラごとに上げられる構成なので人数分その面白さを味わえるというわけで、ここは本当に面白い部分です。

もったいない

本作を表現する上で、これほどの言葉は他にないように思われます。
具体的に何がどうもったいないのか。色々あるので箇条書きにします。

 ・大量に用意された育成要素に比較してのストーリーモードの短さ
 ・上記に関連し、本作を知らないプレイヤーが遊んだ時の物語のわかりにくさ
 ・VERY EASYモードでのゴールドセイントのやられやすさ(それに伴い台詞が途中で途切れる局面多々)
 ・ステージ開始時にCM開け演出の再現、ミッションモードクリア時にアニメのタイトルコールBGMというちぐはぐさ
 ・本編クリア後に解禁されるシナリオは、ゲームシーン以外は基本的にボイスさえ無しの簡素演出
 ・エンドロールでかかる「永遠ブルー(アニメ版のEDテーマ曲)がインスト版(ボーカル無し)

本作は、まずアクションRPGとして、とても面白く出来ているという側面があります。
上記の仲でもゲーム性に関わる残念さは、全てその「ゲームとしての面白さ」とちぐはぐな部分により成立しているのがなんとももったいないところです。
例えばVERY EASYモードでのゴールドセイントの耐久力問題について。
これは敵に与えるダメージ量を難易度毎に変化させたからこそ生じる現象で、難易度による変化を「味方防御力の増減 敵戦闘思考の調整」に主眼を置いて調整がなされていたなら、こうした演出上残念な部分はまず生じなかったことと思います。
本作には、ACTゲームが苦手な人のために四角ボタンを押しているだけでセミオート操作をしてくれるイージー操作があります。なので、極論ですが本作にノーマル以下の難易度は必要なかったようにも思われます(行き詰まったらミッションモードでレベル上げというデザイン)
シナリオの短さも、もしアニメ1話から十二宮の最後までを描くというコンセプトで行えばそこそこのボリュームとなれたような気がし、なおもったいなく思えてなりません。もしこうなっていれば、これほど作り込まれた成長要素もさらに生き生きと活躍できたことでしょう。
例えばです。例えばですがサンクチュアリでの魔鈴さんの手ほどきによりチュートリアルが行われ、最初のカシオス戦で1VS1の基本立ち回りを学び、ブラックセイント編で雑兵バトルのコツをつかみ、シルバーセイントにより上位敵との戦い方を学ぶ……このようなゲーム展開であったら、どれほど面白かったことでしょう。
実際魔鈴さんはプレイアブルキャラであり、ブラックセイントもカシオスも道中オリジナル転回で登場するので、なおそのもったいなさに拍車がかかります。

これらは全て、本作が「面白かった」からこそ感じるもったいなさです。
もし本作がシナリオ量相当のゲーム性だったならこんなにもったいないとはまず感じなかったと思うのです。
キャラクタの成長要素がかなり面白く完成されていればこそ、それをシナリオ中で生かせなかったことが心残りになったのでした。
返す返すももったいないので、本作もぜひいつかリメイクを遊んでみたい作品のひとつです。

終わりに

ファンアイテムとしての本作はかなりのクオリティーではないでしょうか。電撃のインタビュー

からも、製作者の皆様からのあふれんばかりの作品愛が伝わってきます。
その愛は確実にゲーム性にフィードバックされていて、特にL2で発動できるセブンセンシズ中のアクション、L1によるジャストガードからの反撃などは独特の爽快感を演出しています。
気が向いた時に遊ぶゲームを手元に持っておきたい、そんな貴方に本作はかなりおすすめです。
シナリオ性のないミッションモードですが、「ゲーム」と見れば何の問題もありません。
数の充実は本物で今後もダウンロードコンテンツで拡充予定のようですのでそうした意味においてはきっと長く楽しめる作品となることでしょう。
ストーリーモードはミッションモードのチュートリアル。繰り返しになりますが「育成要素付きのアクションRPG」としてのゲーム部分はかなり楽しいので、そういったキャラ育成やアクション強化、それによるスコアアップなどがお好きであればぜひ触れてみてください。

 前のページへ戻る 本文の先頭へ戻る