斑鳩

開発元:Treasure
プラットフォーム:ドリームキャスト/ゲームキューブ/XBOX360/PS4/PS5/Switch/Steam
ジャンル:縦スクロールシューティング


風ではないリグレット

我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔とともに死すこと無し…

ゲームとは何だろうと考えたとき「あるルールに基づいて相手(CPU含む)と競い勝利する娯楽」と定義が可能な要素があるよう推定されます。
毎週木曜が積み重なり年に何百作発売される多々の家庭用テレビゲームは、個々の作品が提示する「ルール」が面白いかが、10年20年愛され続ける作品の傾向に思われます
例えばうみねこのなく頃にはストーリー主体のテキストアドベンチャー、「物語を考察し解釈する」ユーザの試みを楽しめるよう作られた内容により、選択肢不在としてインタラクティブな要素を省きながらも堂々「ゲーム」として成立した作品となりました。
同じ意味合いで、ゲームとしてルールに拘り作られた斑鳩がますます愛おしくおもえてくるものです。


概要

「斑鳩」とは、PS4、Switch、Steam、PS5、AC、DC、GC、XBOX360でリリースされた縦スクロールSTGです。自機をあやつって敵をほふり弾をさけつつ先にすすんでいくオーソドックスな内容です。
本作の特徴に「属性」がございます。自機、敵の弾には白と黒の属性があり、自機の属性は任意に変更可能。自機が白の時に黒の弾を被弾すると1機失いますが白の弾については無敵との法則に基づきゲームは進みます。
敵の放つ弾やレーザーは自機と同じ属性であれば接触してもダメージを一切受けません。
寧ろ、自機と同属性の攻撃を吸収し続けると「力の解放」がストックされホーミングレーザーが放てるようになります。
さらに、敵と逆属性のショットを打ち込めばダメージ2倍となりますので、力の解放をためつつ逆属性の相手にショットと重ね放出、などいたしますと実に快感。
ですので、属性変化を間違わなければ「弾避け」の必要が多くの場面で必要無くなるシューティングが斑鳩なのです(2面中盤、3面冒頭などに地形避けがあります。ご注意を)。


闘争の楽しみ

ならば簡単なゲームかといえばそんなことはなく、自機にはボムが搭載されていない、ショットは前方しかカバーしないのでいわゆるごりおしがすごくやりにくい、全く自分の実力だけでプレイがどんどん変化していきます。
敵の物量も多く弾速も早めですので決して油断できず(敵に体当たりされると1機失います)、敵の出現パターンやステージの構造、敵の属性の把握が攻略に重要となります。
ですが幸い、本作はパターンシューティングに分類される。ランダム性が少なく、敵の出現、弾を撃つタイミング、ステージ転回は毎回固定、3面以後も中ボスを撃破するタイミングで多少転回速度がかわりますが敵配置、攻撃パターンは多くが固定ですので、各局面に「正解が存在」し、落とされない動きを何十回か遊び続けておりますと自然に身に付くのでございます。
まるで楽器の練習のような試行錯誤が、時に楽しさを生み出すのでございます。


まるで音楽を奏でるように

本作は面白いのかとの問いへ、大変お答えが難しい。
筆者は本作が好きでたまらず、故に客観性に乏しい感想のみ脳内に有している状態は、ただ恥じ入られるばかりでございます。
ルールを理解し慣れたとして次にはあらたな難局が立ちはだかり、新たなパターンを構築する作業を1つ1つ積み上げていかなければ行けない。そして人間故に行うケアレスミスによる精神ダメージとも戦わねばなりません。ショットは前方集中2ラインで細くボムもない、力の解放は使うタイミングを考え抜く必要があり、それ自体をパターンに組み込まねばならない場面も決して少なくありません(2面中盤のブロック地帯他)、
何故楽しいと感じるか。何度もプレイする内ふとしたきっかけで「こうすればいいじゃないか」とパターンを思いつくのが実に気持ちがよいからです。そして実践するとチェーンコンボがいつもより長くつながり1クレジット増えた、さらにすこし長い間生き残れ、未開のエリアへ至れた。新たな場所で撃墜されたがハイスコア登録画面が出て撃墜された時点でのスコアが記録よりも高いことを知られた。
それは道中に喜びを拾い集める作業でございます。いつもより長く生き残れてうれしい、自己スコアを更新できてうれしい、先のエリアに進めてうれしい、チェーンをつなげられる場所をみつけられてうれしい、ボスをタイムアップまでに撃墜できてうれしい。そしてなによりエンディングに行けてうれしい。
音楽と演出のシンクロは鳥肌不可避で、BGMときたら全体貫くメロディを何度も何度もアレンジが行われ、流れるタイミングから美しい荘厳な旋律なものですから、音楽に意識を集中しながらプレイいたす楽しみも同時に可能なのが本作の素敵さの一つでございます。まさしく音ゲーのよう。ノーツは敵弾、判定マーカーは自機でございます。
空気感を伴う映像は迫力の高速スクロール、時々すてきすぎるタイミングで挿入されるシーグレスなデモシーンに加えて、光の処理がとても美しく、画面全体があたかもガラスケースの中に入るような美麗さがあり、カメラも斜上からの撮影ですから奥に進む演出となり、達成するべき目的への道を表現として味わえるかのよう。
糅てて加えて本作には厳然としたストーリーがあり、一通りプレイされましたら「斑鳩 ストーリー」等キーワードで検索いただけますと、更に好きになっていただける可能性の濃厚。本作への納得と愛着が深まることと思います。

こうして様々な喜ばしいポイントを書いて連ねられたことは、本作が遊びとしての、あるいは道としてのゲームを体現する存在であるからではなかろうかと、時々考えるのです。
本作はエンディングまで、平均して20分~30分で1週。ある種手軽に楽しめる作品とも表現できます。
最初は環境ソフトとして触れていただく中で、自然と愛着の育たれましたらこんなに素敵なことはございません。
どうか、広まりますよう。
  それでは、今日はこのあたりで。。。

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