ディシディア ファイナルファンタジー
ハード | PSP |
メーカー:スクウェアエニックス | |
メディア | UMD&ダウンロード |
プレイ人数 | 1~2人 |
備考 | フルボイス(シナリオモードのごく一部にボイス無し箇所有り) 画面を見ずにクリア(真のエンディングへの到達)が可能 |
レビュー
懐かしい音楽、経験者涙ものの演出、随所に見受けられる細かいこだわりの数々…
本作を説明するこうした情報はレビューサイトが群雄で割拠な昨今、そこここで語られ尽くされています。
なのでゲーム内容の詳細説明はそちらをご参考いただくことといたしまして(逃げ)、ここでは簡単な私見といつもやっている目を用いないプレイ方法を書くことに終始しようと思います。
ゲームは遊んでなんぼ、そして、本作がノスタルジーを外してもおもしろいと言うことは多くの人の口に上るところであり、この文書がそんなおもしろい本作を皆様にお手にとっていただけるきっかけと慣れるようがんばりたいとおもいます。
ゲームシステム
本作シナリオの大根底に流れるテーマは希望です。
ストーリーモードでは絶望に屈しない心の強さ、夢とも思える理想の実現、父を乗り越える息子などのテーマを、本作独自の世界に召還された各FFキャラたちが、紆余曲折を経て解決していく様が描かれます。
さて、この演出と、以下に解説します{成長できる格闘アクション}という本作の特徴は、とても「合っている」ように感じられるのです。
ストーリーモードを進めてもクイックバトル(CPUとのフリー対戦)を行っても、同一セーブデータ内であればその使ったキャラに経験値が蓄積されます。
すると原作よろしくレベルアップし、その都度装備可能なアイテムが増えたり新しい技やアビリティが使えるようになります。
上述のシナリオモードは、特に初回プレイでは結構な難易度をほこり、ティーダ編のジェクト父さん、クラウド編のセフィロス、セシル編のゴルベーザ、そして光の戦士ルートのボスラッシュなどは特に泣かされるところ。
さて、実際行き詰まったときに普通の格闘ゲームであればここでいろいろ練習を重ねて自キャラ敵キャラの挙動を研究し、コンボやコマンドを覚えて戦うことが求められます。
その「練習」の過程に、経験値によるキャラの成長とアビリティによる強化という要素が含まれているところが、日頃こういったゲームを遊ばなかったユーザへも本作が広く指示された理由の一つのように思われます。
レベルをあげたらなんとかなるかも。
アビリティ付け替えたらなんとかなるかも。
別キャラのシナリオクリアしたら、装備を引き継いで別のシナリオに行けるじゃないか。これなら勝てるんじゃないか?
こう感じさせてくれたことこそ本作ゲームデザインにおける「優しさ」だと思わずにはいられません。
最もそれを表しているのがアクションアビリティの存在。
これは、特定のコマンドでプレイヤーが行えるアクションの幅を広げるのが特徴の要素で、自身で装備することで、
空中回避 罰+R 空中で敵の攻撃を避ける
受け身 罰 吹き飛ばされている状態で罰を押すことで受け身を取り早く復帰可能
受け身攻撃 罰OR四角 受け身中にボタンを押すことで攻撃できる(受け身装備からの派生)
フリーエアダッシュ R+三角 ロックオンした敵を追撃
などの操作をキャラに付与できます。これらは任意に着脱可能で、レベルアップで増えていくAP(たぶんアビリティポイントの意味)の上限までいくつでも付けることができます。
しかもアビリティはどんなものでも、マスターすると必要APが下がる(フリーエアダッシュなら30から15へといった具合)ので、ポイントが余ってきたら新たな強化アビリティをつけて戦況をアクション方面からも有利にすることが可能。
さらにはアクション苦手なユーザのプレイを見越して、その名もサポートアビリティなる要素を実装。たとえば
オート追撃
オート受け身
オートEXコマンドΩ(超必殺技のコマンド入力(ほぼ目が必須)を自動化)
回避性能アップ(回避アクション時の無敵時間が0.3秒から0.6秒に)
といった内容で、カスタマイズの自由度はとどまるところを知りません。
そしてこれだけの自由度があればこそ、プレイヤーはこう思うことができるのです。
「この戦略でなら勝てるんじゃないか」
この心境こそ、紛うことない希望ではないでしょうか?
格闘ゲームの衰退がことさら論じられた90年代後半、これはKOf、ギルティギア、鉄拳、バーチャファイターなどがシリーズを重ね、その進化をコンボコマンドの複雑さに求めて邁進していた自棄と重なります。
ふらっとゲーセンに入った一見さんに漂う「俺、これ遊んでもいいんだろうか…」ライクな空気は、残念ながら確実に醸成されておりました。
負けて学んで強くなるべき、自身に蓄積される経験値が勝利へ導いてくれる、敗北もせず強くなったプレイヤーがいるものか等々の言質はしごくもっともなのですが、それを具体的なパラメータとして知覚できないことは大いなる尻込みの要因になったろうと推察できます。
対して当時ハーフミリオンが当たり前だったRPG私情、戦っていけば経験値がたまる、いろいろな技を覚える、その課程で多くのテクニックをプレイヤーが習得していく。
当然どんなジャンルにも(たとえRPGでも)練習や鍛錬が必要なのがゲームという娯楽ではあるのですが、それを知らずにさせてくれている工夫が多量に盛り込まれていること、これが私が本作ディシディアFFにおいてもっともすばらしいと感じた部分です。
上の説明を読まれて「なんだ結局強化プレイでのごり押しじゃないか」と思われる場合もあると思いますが、決してそんなことはありません。
確かに最初はごり押しでもなんとかなるのですが、その仮定でユーザは知らず知らずのうちに多くの、それこそ数百回のバトルを自然と重ねます。
その中でキャラではなく自分のウデの上達が実感できる作りになっていること、それこそがすばらしいと思うのです。
全シナリオを終えた後現れる最終シナリオの「究極の幻想へ」は、レベル100超え(プレイヤーはレベル100までしか上がらない)の敵が当たり前に現れる戦場となります。
ですが、これまで覚えたアビリティや集めた装備を駆使すれば、運ではなく実力で順調に進めることができるようになる、これは紛れもない、アクションゲームを遊ぶに必要なスキルの向上です。
本作を遊んで楽しいと思った多くの人をその境地に至らせてくれる、こういう義務教育みたいなソフトが発売され続ける限り、コンシューマーゲームという遊びが26年間培ってきた「手触りのおもしろさ」は無くならないのだろうなとそこはかとなく思いました。
今回の感想文ではあまりストーリーやキャラに触れられませんでしたが、まずゲームとしてとてもおもしろいとのことをお伝え申し上げたかったので、どうかご容赦を。
月並みですが、ほんとによいソフトです。
シナリオパートのムービー部分はフルボイスでかなりのボリューム、原作再現もたっぷり、キャラゲとしてもおもしろいので、FFシリーズに少しでもご関心があればぜひ一度遊んでみてください。
雑感
今回感想を書こうかと久しぶり(1年ぶりくらいかな)にソフトをひっぱりだしパッドを握りました。
あぁ、きっと操作とかメニューの並び周りを忘却してるんだろなぁとへこみながらのリプレイです。
ところがどうでしょう。いざバトルになると自然に動いて四角&罰ボタンに乗っかる親指とRボタンに添えられる人差し指……。思わず笑ってしまいました。
頭では忘れても体が覚えてくれていた。その状況を肌で経験し、「槍込みは裏切らない」の格言が発揮される新たな側面を体感した心地です。
上述の通りやれることはたっぷりあるので、遊ぶ機会がありましたらぜひいろいろな装備やキャラを試してお気に入りを見つけてください。
目を用いずに操作
ここでは、本作を目に依存せず遊ぶ方法について説明します。
事前準備とインストール
まず、本作のリストメニューには次の特徴がある。
1.上下で循環する
2.左右で数項目ずつ移動(コンピューターのPageup/downキーみたいなもの)
3.左右キーを押すと左端、右端で突き当たる。
それぞれ、左端がリストの最も植え、右端が最も下。
(* ゲーム中、設定画面で特に頻出するUIなのでぜひ上の仕様をおさえて操作してください。)
インストール
本作はデータインストール機能(ゲーム内容の一部分をメモリースティックに保存することでロード時間を軽減する機能)に対応している。
以下、インストールの手順です。
1.ゲームを起動する。
2.しばらくするとタイトル画面が現れて本作テーマでもあるプレリュードのDFFアレンジが流れる(この状態でタイトルメニューが出現している)
3.下
丸
と入力。
4.ここがインストールガイダンス画面。
最初に本機能の説明が表示されているので丸を押す。
すると選択肢が現れる。ここではインストールする要領を選ぶ。うえから順に
- 245MB(バトルのみ)
- 373MB(バトルとストーリー)
- 528MB(全てのデータ)
フルインストールの528MBを選ぶなら、下を2回、あるいは右を音が出なくなるまで(ここでは3項目しかないので1回でOK)押す。
目的の要領で丸を押すと、インストールを行う旨の最終確認が表示されるので「はい」を選ぶ(最初から選ばれている)
音楽がFF5のチョコボのテーマに変わったらインストールが開始されている。
(フルの528MBをインストールする場合、最低でも40分ほど時間がかかる。ゆっくり待とう。)
(インストール中にLRを押すとおもしろい。)
インストールが終了すると、これもFF5の勝利ファンファーレが流れる。ここで丸を押すとインストール作業は終了となる。
これで本作を遊ぶ準備が整いました。次は、初期設定についてご説明します。