シンプル2000シリーズ vol.87 the,戦娘(ナデシコ)

ジャンルベルトスクロールアクション
開発タムソフト
販売d3パブリッシャー
ハードプレイステーション2
備考成長要素あり ステージオープニングデモはフルボイス 振動対応
公式サイトhttp://www.d3p.co.jp/s_20/s20_087.html

はじめに

ベルトスクロールアクションというジャンルがございます。
始祖は熱血硬派くにおくん(86年)、当時は画面スクロールが左右任意、出てくる敵を次々に打倒する、移動は場面転換(別マップ)で行われるといった要素がありました(現代で申せば閃乱カグラ2のレベリングステージ、妖魔の巣が近いゲーム性でしょうか。)
しかしただの殲滅戦に終わらない、ファミコン版のくにおくんには移動が少ない分ステージに凝らされた工夫で表現される面白さがあり、リングアウトの概念、バイクによるチェイスシーンなどは今思ってもユニークな演出が多分に含まれていたと思い起こされます。
時代は進み、一般的なアクションゲームと同様、画面を右へ右へと移動してゆく動作と、こうした乱戦アクションが融合を果たします。T.M.N.T. ~スーパー亀忍者~、ファイナルファイトシリーズ、ダブルドラゴンシリーズ、そしてルナークさん。
ベルトスクロールのベルトとは、即ち帯のようなステージを右へ右へと進むゲームの構造を表した言葉となります。
肝は、帯の幅の範囲において手前、奥に移動できる構造。そこを使って立ち回りを繰り広げるのですが、それはさてどんなときもまずは右へと進む、手前に戻ってから右、奥へ行ってから右、本当に極希に左。道に迷わないことこの上ありません。
右へ進むばかりでは中途の敵をスルーして一気にボスまで行ってしまうのでなかろうかとの心配がありますがそこは始祖よりの発展と工夫により、まず移動してから現れる敵を全て倒せば画面の右側に矢印が出てきて、更に先へと進めるつくりになっているのであります。
これによりメリハリあるプレイが楽しめ、移動パートで独自の演出を施しストーリー演出やルート分岐にも使われるようになったことで、いよいよもって本ジャンルの円熟は極まってまいりました。
そんなベルトスクロールアクションは32bit時代、90年代広範より突如そのリリース数を減らします。
当時が3Dポリゴン黎明期が故の試行錯誤がためか、2000年代に入って「無双」なる新ジャンルが搭乗した事によるその邦楽への進化が加速したためか、いずれにしても極端にその数が減りました。
個人的には本当に好きなもので、ベルトスクロールアクションがこうして実質の休眠となったのはとても残念に思われたものです。なんせ、右へと進めばよいのです。次の場所へ行くのに迷う要素の一切無いこの開放感と戦闘へ専心できるこの喜び。そんなシンプル故の遊びやすさとは、しばらく別れを告げることになりました。
そうシンプル、本日紹介を申し上げるこの「戦娘(ナデシコと読みます)」も、シンプルシリーズのタイトルとして世に放たれました。
本当に古式ゆかしい王道のベルトスクロールアクション。加えて経験値によるキャラクタ強化要素があり、ディシディアFFと同様、「次こそは」との思いを奮い立たせてくれる、現代ならではの素晴らしいアレンジが光る一作です。

久々のベルトアクションは大変な雰囲気ゲーだった

ニューゲームをスタートするとまず始まる戦時特別緊急放送、そこでプロローグが語られます。
、敵機械化部隊が突如我が国へ進行、国民生産工場にて勤労に励む無辜の臣民十万余を虐殺するにおよび、帝国防衛軍の苛烈なる奮戦も叶わず帝都よりの撤退を余儀なくされる。
そんな中、とある発掘現場より旧時代の大戦時に製造された機装守護少女なる人造人間が発掘される。
もとより帝国防衛を目標に構造された彼女はその圧倒的な火力と装備をもって鬼畜敵軍を打倒すべく救国の志を胸に帝都奪還を果たすがため今まさに行われる防衛軍の帝都奪還作戦に用いられる武装と兵員を輸送する弾丸列車へと乗り込むのだった。
ところがそこにも敵の機械化部隊が迫る。
機装守護少女は弾丸列車の屋根へと躍り上がると、ただ護国のため、獅子奮迅の活躍により敵師団の排除へと赴くのだった。

どうでしょうこの冒頭、とても熱くありませんか?
こうした内容がニューゲーム直後、ならびに各ステージの冒頭にラジオ放送然としたナレーションによりフルボイスで語られ、画面にスクロールで表示される分限は旧仮名遣い旧字体、もちろん仮名文字は全てカタカナなる徹底っぷりです。
こんなスタートですから1面は爆走する列車の屋根の上なのです、でもご安心ください。操作を間違えると下へ落ちたり、車両の継ぎ目をジャンプする必要は全くありません。むしろ奥幅が狭いのでまさしく練習ステージとして機能しますから、安心して右へと進んでいけます。
四角と三角で攻撃、まずは右へ右へと進んで敵が現れたら右へ攻撃、いなければ左へ攻撃。L1L2の奪取は右へ向いておれば右へ、左なら左へ瞬時に移動するものですがその間は無敵、ここが大切です。こうして回避と攻撃を使い分けながら右へ右へと進む、まさしくシンプルなわかりやすいゲーム性です。
更に申し上げるなら、本作のメニュー画面とステージクリア時のリザルト画面のBGM、皆様にはぜひこれを一聴いただきたい。とても昭和ロマン、いや浪漫に溢れた作品になっているのです。

おわりに

得てしてベルトスクロールアクションは孤独がつきまといます。そのゲーム性からどうしてもひとりで多くと戦っているような気になるのです。
しかしそこは本作、しっかりと味方の存在が示されているのだからたまりません。
3面冒頭の万歳三唱、6面の帝国軍諜報部との連携、7面以後の装反攻作戦において語られる帝国軍との共闘、そしてそれを伝えるアナウンサーの国土復古を眼前にした歓呼充溢の報道。
ひとりで戦っているのでない、シナリオにおいて多くの味方の存在が語られることは物語に厚味を与えるのみならず世界観に深みを与えるにとどまらず、プレイヤーの艱難突破の決意さえ惹起鼓舞せしめるからたまらないのです。
本作はラスボス戦を除き全ての場面を視力を用いずにクリアできます。(ぜひこのバトルを視力を必要とせずにクリアの叶う方法が見つかりましたらお知らせください)
しかしながら本作のクリアについては、プレイの楽しさを味わうためにも、そしてラスボスを倒した後に現れる100ステージのチャレンジモードをクリアするうえにおいても こちらの攻略サイト様と、こちらの攻略サイト様をとてもとてもありがたく活用をさせていただきました。
皆様にもぜひこれら情報を参考いただきながら帝都防衛へ直往邁進一意専心、徹頭徹尾初志貫徹、不撓不屈乾坤一擲の覚悟を持って国際安心条約違反の鬼畜敵軍を一掃排撃し、八紘一宇の天下太平を獲得すべく挑み楽しんでいただけましたら幸いです。

以後、タムソフトはベルトスクロールアクションの名作を引き続いてリリースしています。
PSPで一騎当千シリーズを2つ、DSの野獣刑事、そして3DSの閃乱カグラシリーズ。
そう、本作は閃乱カグラのプロトタイプの位置づけ、ちょうどご先祖にあたるのであります。
楽しさの源流は全く同作と近似しており、ですから閃乱カグラを楽しんでいただけたならきっと本作も楽しんでいただけるものと確信いたします。
もちろん閃乱カグラってなんぞ?とご存じない場合でも本作をきっと楽しんでいただけることと思います。
何故か、重ね重ね、本作の楽しさが実にシンプルであるからこそです。
単純なルールを単純に楽しみ、それでいて成長要素があるのでそれを以後のプレイの希望としトライアンドエラーを繰り返す。
古式ゆかしい、故に根源的な楽しみが本作にはあります。
指をいっぱい動かすゲーム、おひとついかがでしょう。
今後アーカイブス化や復刻も念願しながら、ご紹介をさせていただきました。
  それでは、今日はこのあたりにて。

視覚補助情報

1.新しくゲームヲはじめる

1.ゲームを起動させたら、スタートボタンを何回か押してタイトル画面に行く。(d3パブリッシャーのロゴが出ると「しゅぱじゅるるるるしゅー・・・かちゃ」とのサウンドが流れるのですが、その状態で3.4かいほどスタートボタンを押せばタイトル画面です。
2.丸ボタンを押す。(「出撃せよ」と言われ、そのあと放送がはじまれば成功)

2.ステージセレクト方法

1.メインメニューを呼び出す。(ニューゲームの放送直後、あるいはセーブデータのロード直後に出てくる画面)
2.一人で遊ぶ場合、丸ボタンを2回押します。(2人プレイの時は、



と入力)
3.その状態でキャラセレクト画面になるので、花か菊の2キャラからプレイヤーをえらべます。
左右キーで選択し、丸ボタンで決定。
*カーソルのデフォルトは「花」を指しています。
「花」はキック主体、「菊」はパンチ主体の攻撃を得意と。
隠しキャラは花の左、菊の右に現れます。



4.キャラを選び終わるとステージセレクト画面になります。
*デフォルトカーソル位置は自分が挑戦中の一番新しいステージになっています。(例:ステージ5までクリアしている場合、デフォルトカーソル位置はステージ6)
5.ステージを選択。左右キーで選び、丸ボタンで決定。
*左を押すごとに最初のステージにちかづきます。右を押すごとに新しいステージが選択されます。端まで行くと反対側末尾に移動。
(つまり、デフォルトカーソル位置から右に1回ボタンを押すと、ステージ1となります。)


**データのセーブ方法**b

0.まず、前提としてステージセレクト画面にいることに(ゲームオーバー、ゲームクリアしたあとに、ここに戻されるから)
1.下記コマンドを入力すればセーブが可能。
バツ(キャラセレクト画面)
バツ(プレイ人数セレクト画面)
バツ(メインメニュー)

丸(オプション画面へ移動)

丸(データ管理画面に移動)
丸{セーブ}を選択}
丸(セーブするメモリーカード{スロット1}を選択)

丸(「セーブしてもよろしいか?」の問いに「はい」と答える)
3秒ほどまつ。
丸(この丸ボタン押しが反応すればセーブ終了。データ管理画面にもどる)b<

**セーブ画面からメインメニューに戻る方法**

,1.反応がなくなるまでバツボタンを押す。
2.下記コマンドを入力。

丸(オプション画面からぬける)

これでストーリーモードにフォーカスがあたった状態になります。

データのロード方法

タイトル画面で下記コマンドを入力する。


画面が切り替わって音楽がなりだしたら、




これでロードされたデータで、メインメニューにいるはず。

難易度変更方法

初期の難易度はノーマルになっています。が無改造の場合、はっきりいって結構キツいので難易度をイージーにする方法を書いておきます。
1.メインメニューで、


でオプションに入る。
2.上を2回押す(ここが難易度選択の項目。
3.はじめてここの項目を触る場合は左を1回だけ押してください(特にここは慎重にいただくことが大切です)
4.次のコマンドを入力。




これでストーリーモードにフォーカスが当たった状態のメインメニューに戻ったことになります。

前のページへ戻る