フルメタルパニック~戦うフー・デアーズ・ウィンズ~

ジャンル:シミュレーションRPG
メーカー:バンダイナムコエンターテイメント
対応機種:PlayStation5 PlayStation4
ダウンロード版入手先:https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0700-CUSA08607_00-FULLMETALPANIC01
備考:フルボイス、UI理解により視力を用いずスタッフロールへの到達、グランドフィナーレへの到達が可能

はじめに

作中オリジナル地域の日本から飛行機で行ける距離なる「ハンカ自治州」が、現実でも当該地域の南側からは「国家」として認証されていない事実を思うほどに、原作小説版1巻で修学旅行に搭乗した飛行機がハイジャックされハンカ自治州に着陸後に千鳥かなめ嬢の申された
恭子「この近所にコンビニとかないのかな。お金は払うから買ってきてほしいな………」
かなめ「ねえってば。でも、本当にコンビニとかあったらやだよね。ローソンじゃなくて**ソンとか………ぷっ」
恭子「なにそれ?」
かなめ「わかんないの?まったく近頃の若いもんは」

というやりとりが思い起こされ、若人の純朴由来のボーダレスが描かれておりますことを何よりと思います。
そんな作品も巻数重ね11巻。
サピエ図書館様からこれはおもろいとPS4版と原作との違いを味わいつつ貪るように読んでおりましたら突如として「フー・デアーズ・ウィンズ」の言葉が出て参りましたことに驚き喜びます。PS4版の副題がその発売遙か前に本編へ記載があったと知れます驚きと喜び。
和訳はこうでありました。「勝野は敢えて行く者だ」と。
思えば小説とは「敢えて生み出される」性質を持ちます。そうして「敢えて読む」われわれと「敢えて行う」我々の日常へのエール、勝てる理由は戦ったからとの実に根本的な因果関係を突如として表へ出して頂き感動は全く止まらず。
敢えて本ページをお読みに成り、敢えて本作へ興味をお持ち頂いた皆様へお伝え申し上げます。
敢えて購入し敢えて挑みましたらクリアが可能です。視力障害を持ちながら敢えてプレイをいたすことで敢えて挑める本作だと証明できましたこと、それこそを喜びます。
どうぞ実プレイへご期待ください。充実ある時間でした。

ゲーム概要

シミュレーションRPGであります。
速度の速い順にターンが回ってきまして、自分の手番となりましたら移動、攻撃等を用いて勝利を目指します。
フルメタルパニックのみで仕上げられたスーパーロボット大戦、ユニット登場時SEなど実にそのままで同時にスーパーロボット大戦というシリーズが未経験で全く問題ない作品でもあります。
まずは会話パートがあり物語が進みます。
次に戦闘パートでバトル、
勝利しましたら再度、会話パートで物語が進み
最後にインターミッション画面となります。
インターミッション画面では所持アームスレイブ(作中ロボット兵器 以下ASと記す)の強化やパイロットへのスキル習得、プレイ状況のセーブ等が行えます。

遊べるユーザインタフェイス

上記のゲームの流れを受けて、何故視力を用いず本作がプレイ可能であるかを考えて行きます。

A.会話パート
1.フルボイス
2.R1ボタンで会話のオート進行がかのう

B.シミュレーションRPGパート
1.敵への攻撃時、カーソルが敵へ自動で当たる
2.操作可能となったユニットを音声で把握可能
3.敵機からの反撃時、武器選択は自動で行われる
4.敵機を誘き寄せて戦う(即ちマップ移動を敵に行わせる)戦略、ユニットを隣接させ合体攻撃を可能なように一定方向に同時にユニットを動かし続けるなど、視力を用いないなら用いないとしてとれる戦略の幅が存在する

インターミッションパート
1.トップメニューで罰ボタンを押すと必ず「ミッション選択」の項目が選択状態となるため、ホームポジションとして利用が可能
2.ホームポジションから 下 丸 とするとAS一覧、上下でASを選択後、丸 L1 とすることで選択中ユニットの改造メニューへ到達
3.改造メニュー表示後上を一度押した項目が武器強化。右でパラメータ上昇、丸で改造実行。
4.即ち武器を選んで改造するのでなく一括で強化できることから、武器を視力の関係から選び間違えたとしてその際の損失を最低限とできる
5.ホームポジションから 上 丸 下 下 丸 とすることでセーブが可能
6.ミッション選択は下ほど新しく、間違えた選択を行うリスクが低減

以上が大枠でございます。

空前絶後のレアケース

スーパーロボット大戦30はGB初代から30周年記念作品でありました。が、会話パートにボイスは未だにございません。サンライズ英雄譚、Another Century's Episodeシリーズ、ロボットクロスオーバータイトルの中で過去に例外としてフルボイスの作品はいくつかございましたが例外。稀少なことに変わりません。
その稀少が本作、フルメタルパニック~戦うフー・デアーズ・ウィンズ~でございます。
これほど喋るスーパーロボット大戦を私は体験したことがございません。
これだけでも視力を用いずプレイいただくに十二分の価値と考えます。
これに加えてインターミッションでのカーソル位置初期化など、あくまで偶然でも視力を補うシステムが其処此処に発見されるに及び、私個人としてながら、発売日に買えば良かったと心から後悔をいたしました。フルプライスを悠然として超えて行く価値がそこに広がっていたのでございます。

至るグランドエンド

原作を知らぬ人間へ向けて、小説1巻の内容がまるごとプレイできる序盤がございます。原作を知っていること当然と言わんばかりのキャラゲ数多くある中、この上ない感謝案件なる工夫でございました。
2周目から解禁されますIFルートでは、原作と異なる物語がこれもフルボイスで紡がれます。
「やり直しを否定する」哲学を是とする作品世界にあってやり直す2周目の変化と結末を読み解く楽しみは、唯一の今を言祝ぐ本作独自のプレイ体験を頂けます部分です。
どちらが好みかと考えつつプレイされるのも宜しいかと思われます。

おわりに

メリッサ・マオを演じられた根谷美智子様。「あんた***じゃなかったの」とクルツ・ウェーバーに語る本筋ルートラスト2つ前ステージに、背の肌の震えたことです。なるほどメリッサはあの場面でこのように語るのかと。心から感動いたしました。
原作の魅力を役者様が解釈され演じられより輝く体験が叶いましたのは、サピエ図書館にアップロードをご依頼くださった視覚障害の方がおられればこそです。もし本ページをお読みでしたら心からの感謝をお伝え申し上げることをどうかお許し頂きたい。1巻からラストまで、点訳依頼を本当にありがとうございました。
こうして連鎖します魅力ある作品、皆様も宜しければいかがでしょう。
いきなりゲームに敷居が高いことでしたらまずはサピエ図書館から作品へ触れて頂くのも一つの道筋と考えます。点訳本で「フルメタルパニック」と検索してから出版年代順にソート、「戦うボーイ・ミーツ・ガール」が1巻ですのでそこからスタートされるのが宜しいかと思われます。
視覚障害がプレイしない理由とならない作品はこうして存在しますが、そのうえで魅力ある作品、プレイ後の達成感が心地よい作品と出会えたならそれはなおのこと素晴らしい。ぜひ情報としてお持ち帰りください。敢えてのプレイをお待ちいたしております。
  それでは今日はこのあたりにて。

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