ギンガフォース

ジャンル横画面縦スクロールシューティング
開発有限会社キュート
対応ハードWindows(Steam)、PS4、PS5、Xbox360
ダウンロード版入手先PS4 PS5 Xbox360

はじめに

ナグザット様より1992年、ファミリーコンピューターで発売された縦STG『サマーカーニバル'92 烈火』なるタイトルがございます。横画面縦スクロールの作品、弾幕でなく敵の物量で押してくるものをオート連射ショットと貯め撃ちボム(チャージして発射するとボム、チャージ中に被弾するとバリアーとなる)を駆使し敵を「往なしつつ」戦うシューティングです。
この「貯め撃ちバリアボム」がR2ボタンでスペシャルショットとして登場いたすギンガフォースを味わいますと、ご先祖様のお墓参りの心持ち。敵を倒すのみならず「往なす」楽しさが、当時から連綿と描かれていたのですね。3DSをお持ちの方はバーチャルコンソールなど、機会がありましたらぜひお試しください。…Switchのファミコンオンラインに来ないでしょうか。今ならあのスプライト欠けやちらつきも減じましょうし本来の姿で遊べるでしょう。

一方で、ワンダースワンクリスタル(ワンダースワンカラーも)のタイトルに、M-KAI様のリリースされた「ジャッジメントシルバーソード」なる縦STGがございます。縦とてワンダースワンは本当に縦に持ってSTGをプレイできる端末でしたので、そこへ最適化して作られた本作の磨かれ方はただならないものでした。
どこへフォーカスされたか。ステージがまるでミッション製、即ち課題をクリアしながら30を超える多くのステージを戦いつつ「やれるところからやれる」そのゲーム性は、自然とプレイヤーのスキルを押し上げて達成感を積み重ねる、プレイヤーに自然と自信と技術を獲得せしめる要素が素敵な構造なのでした。
それを可能にしますのがオプションと、その解禁システムの具合。本作が実現した「プレイ時間でのオプション要素解放」とはそれ自体が目的にできることであり、解禁したい要素のために遊んでいたら自然と上達する素晴らしい発明。ストイックな弓道的挑戦以外のゴールを設備頂いたことで「上達して突破」自体をゴールとせずともよくなった構造は、逆にプレイヤーを育てるタイトルとして「上達」を引き寄せている。素晴らしい作りなのです。
今ならSteamで手に入るのでSteamのアーカイブス製に脱帽され、本当に感謝されることです。プロジェクトエッグさん然り、PS4PS5XboxSwitchのネイティブな互換然り、いいものが発売されても語り継いで行けなければ何にもなりません。ですからこのジャッジメントシルバーソードが今、プレイ可能な事実を特筆いたします。ボイス演出等はございませんが、よろしければぜひに。美味しいわんこそばシューティングを味わってみてください。
…なぜこのジャッジメントシルバーソードの話題をいたしたのか。本作ギンガフォースのストーリーモードでプレイできるシミュレーターモード(連続ミッションモード)が…「ジャッジメントフォースタイガー」や「ジャッジメントフォースドラゴン」…などと題名されておりましたもので、これは無関係なわけないなと考えここに記しましたものです。実に楽しい、歴史の果て。

概要

ギンガフォースとは、過去様々に取り組まれた「楽しく遊べるシューティング」への試行錯誤を経て現代へと生まれ、そして移植された横画面縦スクロールシューティングゲームです。
縦スクロールシューティングとは、基本を自動でステージの上(奥)へ進む自機を左右や上下に動かしながら、敵の攻撃を躱したりショットで敵に攻撃をして先へと進むタイプの作品です。カメラが固定なので、次の行き先がわからない。といったことと無縁なのが特徴です。
「横画面」とはディスプレイの左右まで目一杯でステージを描画する演出方法で、アーケードゲームにある横幅の狭い縦画面より左右移動の量が多い、即ち左右移動の素早さ自体がプレイヤー機体の性能として重要になる具合が楽しいゲームデザインをされているとの意味になります。
また、文字通り横画面であることから、ただ上へスクロールするのみならず3Dを生かしての高低差の概念、上ではなく「奥」へ進むレイクライシスやレイストームのような場面など、必然性有る愉快なカメラ演出が多く行われることも性質となります。
この大迫力にフルボイス演出が組み合わされば、それはもうTVアニメの世界。
本作はステージ単位のプレイが特徴なオムニバスの物語、テレビアニメのような心持ちでプレイをいただけましたらと考えるのでございます。

ステージとは舞台と知られる、新たな切り口のプレイ体験

ギンガフォースが従わなかった「シューティングゲームの慣習」はいくつもあるのですが、その一つが「ステージの連続プレイ」からの脱却です。
本作はまるで音ゲーの楽曲選択のように1ステージをクリアするとステージセレクトメニューへ戻り、全ての出現済みステージをクリアすると次のステージが「メニューに現れる」構造をしております。
一例に連続でステージをプレイするタイプの今までのシューティングを考えます。下手なりに必死に1面をクリアしました。2面へ行きました。ゲームオーバーになりました。また1面から。シューティングの常識としては当たり前なこの挙動が、運も味方に付けて1面をギリギリでクリアした人間の心をどれだけ挫いてきたことでしょう。インカム、回転率、移植度。アーケード作品では実に正しいこの論理に弾かれた人間を、家庭用は本来救済し得たのです。そして実際に現実に救済を頂くのみならず、そこを娯楽性にまで消化され錬磨されたのが本作、ギンガフォース、大変モニュメンタルなのでございます。
本作はそんな層の存在をしっかりと認識頂き、ステージクリアと新ステージ出現をセーブデータに保存することを可能としてくださいました。待った人間にとりまして、言語を絶する感謝があったのでございます。そう、これが遊びたかったのですと。

次々と破壊されて行く、諦める理由

一般的縦シューティング同様、本作も自機が被弾すると1機を失います。初期値では残機数は2。即ち3回撃墜されればスコア画面となりゲームオーバーとなります。
しかしここからが凄い。ステージ途中に取得した残機アップアイテムを取得すると、その情報がセーブされて次のプレイに引き継がれるのであります。残機アップアイテムを取得すればするほど防御力が上がる自機。いつかクリア可能との希望を抱くのに、これほどの要素があるでしょうか。素晴らしい発明です。
敵を倒す数に応じて1upアイテムが現れる確率が上がる構造をしております本作。ともかくも敵を倒して左右へ動いて、大凡でも偶然1upが手に入る可能性を期待しながらプレイする。これも立派な後略ですし、その繰り返しは自然とプレイヤーの動きを最適化してゆき、後略パターンを生み出す縁となります。

まだまだあります希望の要素

出撃前の画面ではショップがあり、ゲーム中に取得したクレジットを支払い新武装を購入可能です。これで出撃前に、より強い、あるいはステージに適した装備を検討してからプレイを開始すれば、クリアの確率はより上がる。今は無理でもショップの別のアイテムを買えば突破できるかも知れない、ならと金策する内に1upも溜まって行く。あまりにも美しい仕組みにて、ぜひ広く本作が知られることをついつい希ってまいるのでございます。
勿論、ショップにも、初期残機アップをする追加装甲が販売されています。1upアイテムを取る前から残機の多い状態で開始できるのは、それだけ最初から長く新ステージをプレイできる、1upをプレイ中に取得できる可能性が上がる。何をどう考えても凄いシステム。
そして勿論、ステージをクリアできずゲームオーバーとなったとしても、それまで入手したクレジットが手元にしっかり残ります。ですからゲームオーバー含めた全てのプレイが無駄にならない。本当に何もかもが丁寧に構造されている逸品なのです。

ボイスで届く、攻略情報

本作ギンガフォースを購入いたした故は、物語部分がフルボイスと知ったことも小さくなくありました。
それが、自機後方からの敵出現や、障害物の接近を伝達する、ボス敵の耐久力を知る攻略情報として用いることの可能とは。
ご存じの方はスターフォックス64。あちらの現代版+視力を必要としない(2Dのゲーム性のため)のが本作と申すことができるでしょう。

夕方アニメの心意気

プレイヤーは、開拓惑星を統治する企業、の子会社であるセキュリティサービス会社の新人現場作業員であるところの主人公なるおもしろ設定。
子会社職員が主人公が故の、正確な情報の微妙な届かなさ、上側の分厚さに翻弄されつつの事態打開への挑戦が物語として楽しい描写です。
それはさて、本作オープニングムービーは時報からスタート。まるで夕方アニメのよう。1ステージがアニメ1話分と考えると実にしっくりくるデザインが行われ、加え主人公の逮捕する犯人の皆様からは…どう申せばよいか。とてもEテレの香りがするほのぼのと申しましょうか。安心感があるのでございます。
Chapter7等物語の後半に入ればシリアスはその度合いを濃くするのでありますが、則はメリハリ。惑星セブンティアに平和が戻ったなら、その後はきっと微笑ましい世界だろうと感じられるのは前半からのポジティブな作劇に寄るところが大きいのです。
そんな硬軟混ざる物語がフルボイスで語られるゲーム世界を、上記の素晴らしく数多くのプレイ方法クリア方法が満載のゲーム部分がもてなしてくださる。
対比と言えば味方側も。キャストインタビューによれば主人公アレックス君のいい江戸っ子っぷりとの名コンビなサポートパイロットのマーガレット。彼女の「日常」と仕事との温度の違いを感じられるステージ3クリア後などはとてもしんみりとして。本シリーズが今後も続き、いつか彼らの日常をGUILTY GEAR規模で味わいたい。そう自然に思える作劇はやはりよきものだったと思います。ぜひに体験頂きたいのでございます。

伝わる、作る、楽しさ

ゲーム部分が楽しくプレイ可能なように作られているように、本作のSF設定各種も実に「楽しそうに」作られている。
ハッキングされた監視ロボを正常に戻すべく撃破しないように軽く攻撃すると治る、すると敵ボスの光学迷彩が解除されてゆく。なぜそうなるのでしょう。よくわかりません。わかりませんがおもしろい。
武装した軌道エレベーターと戦いつつ宇宙に行くのは、奥行きの概念を思うと「なぜ?」と思うものですが、それはそれ。動力や敵の監視など事情があるのでしょう。
惑星統治のため地球連邦から貸与されているスパコンが入れ替わっておりましたとか、最後は人間な部分もおもしろい。しゃべるAIも…リアリティはどうかはよくわかりませんが、己の本来のお仕事を果たそうと手を尽くして淡々と努力されるお姿が魅力的です。
コジプロさんやプラチナさんのような緻密精密な考証が本作にあるのかはわかりません。しかしプレイしわかるのは、大きな「枠」として人類の進化を捉え、その内でこういう設定があったらおもしろそうだと楽しんで開発された物語だろうと感じられる空気の素晴らしさです。触れられて幸せな時間なのでした。

おわりに

いかがでしたでしょう。楽しい本作です、広まることを願います。
バイタルデータ管理を手がけられているキュート様のゲームがおもしろくないわけがない。今日はそこだけお持ち帰り頂けましたらと思います。本作はゲームソフトであり、ヘルスケア商品であります。癒やされました。
  それでは今日はこのあたりで。

視覚補助情報

以下、視力を用いず本作をプレイ頂くに役立つ情報を記載します。主にPS4版についての情報を記します。

クリア/ゲームオーバー後の操作

ステージクリア、あるいはゲームオーバーになると、スコアとクレジットの精算画面になります。
丸ボタンが反応しなくなったら
OPTIONボタンを押してから丸ボタンを押すと
このスコアリザルト画面から抜け出ることができます。

セーブ方法

わかりやすく考えるため、出撃直前の装備変更画面からセーブを行う方法を説明します。

罰ボタンを3回
丸ボタンを1回

これでセーブされます。
ステージセレクトやショップ、オプション等を選ぶメニューで罰ボタンを押すことで「セーブしますか?」と問われ、丸ボタンでセーブを実行の流れとなります。
セーブ後はモードセレクトメニューへ戻ります。

ロード方法

タイトル画面後のモードセレクトメニューでカーソル初期位置は「ストーリーモード」に当たります。
丸ボタンを押すと「ストーリーモード」とボイス再生があり、セーブデータのロード画面へ移行します。
上下キーでセーブデータを選び、丸ボタンでセーブデータを読み込むと前回の続きからプレイ可能です。

ショップでのパーツ購入

売価以上のクレジットを所有している場合、商品一覧で丸ボタンを押すと購入確認画面が表示されます。
丸ボタンを一度押すと購入実行、丸ボタンを2度押すと購入したパーツを装備します。

ショップのカテゴリ

上下循環、左右循環あり、1行目右端で右を押すと2行目左端へ移動。並びは次の通り。

メインウェポンサブウェポンスペシャルウェポン
エンジンアクセサリカラー

参考

ギンガフォース 公式Webマニュアル

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