ASTRAL CHAIN

開発プラチナゲームズ
ジャンルアクションアドベンチャー
メーカー任天堂
対応機種Switch

はじめに

アストラルチェイン。嗚呼、なんと高難度な題材をば本日は選んだことでしょう。
とても難しいので、まずは脳を整理すべく「ゲームとは何か」という話題からあらためてスタートいたしたく思います。本作の交々を語るには、根本へ立ち戻る必要があります。

ゲームに求める、ゲームプレイへの期待

SLGの古典に「将棋」というゲームがございます。
1ターンに1ユニットのみ動かせるシステムで、ユニット毎に移動方向が異なる、基本ユニットの耐久力は1で、敵の鹵獲要素もあついゲームデザイン。
この将棋、最初に盤面へ駒を並べるのですが、もし駒を並べる前に王将が歩兵や金銀をメガテンよろしく交渉で仲間にするADVをプレイし全ユニットをそろえなければゲームが開始できなければ、と考えます。あるいは対局を繰り返す中で駒を雇い続ける維持費を捻出するべく王将の苦労する経営SLGが入っていたらと考えてみます。それらの要素がどれだけ洗煉され完成度が高く芸術的で見事な仕上がりでも、「将棋がしたい」目的を果たす際に壁になるとは容易に想像されます。概してプレイヤーに求められるスキルと時間が増大されることで敷居が上がるからです。
ただシンプルに魅力的なゲームが底にある、それだけで大いに吸引力になるのだと本作アストラルチェインの守護モード(後述)に教わりました。そのシンプルさがどれほど大切なものなのかも含めて。

先鋭された目的が時代を動かした

一方でロムカセットのゲーム機を考えます。ここで考えるのは電源を入れた瞬間にゲーム画面となるマシンについてです。即ちゲームボーイは除外されます。
今からは信じられないことですが、その昔、「電源投入後の共通起動画面が存在しないゲーム機」なるお品がございました。具体的にはファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン、ニンテンドー64。
ファミコンはKONAMIさんのSTG、カプコンさんのACT、ハドソンさんのキャラバンSTG、スクウェアさんやエニックスさんのRPGが集結して大変なムーブメントとなりました。
さてファミコンは中期から後期に入ろうかという89年4月、画面はモノクロなれど黒の濃淡は表現可能でファミコンにはなかったステレオサウンド再生に正式対応した、携帯ゲーム機が発売されております。ゲームボーイと申します。
この1989年、11月にはファミコンでコズミックイプシロン(SFCのモード7のようなハード側の補助無く滑らかな3D空間における地面スクロールを実現し、のみならず宇宙での隕石回避やトンネル高速くぐりを実現したファミコンの3Dシューティング)などというオーパーツが発売される中、ゲームボーイのひっそりとした具合。ソーラーストライカー(任天堂)など、スターソルジャーや雷電の系譜に繋がるシンプルさが魅力の素晴らしい縦STGで、メイドインワリオ収録の『ギャラクシー2003』のモトネタではと注目されたタイトルも発売されつつゲームボーイが好事家のアイテムだったのは悔やまれる歴史です。
ポケモンが爆発するまでのゲームボーイとは、宛らファイナルファンタジーVIIが出るまでのプレイステーションのような世界でした。サ・ガ、突撃!ポンコツタンク、地球解放軍ジアース等、素晴らしい作品はいくつもありながらも知られず。これら、Switchのゲームボーイオンライン(仮称)での復活が待たれます。
ただ、ゲームボーイが着火するまで8年が必要だった理由で…本体の起動時間。これは無視できなかったように思われます。ゲームボーイにある「NINTENDO」が上から降りてくるブート画面。ファミコンにはあれがなかったからこそ好評だったとはうがち過ぎでしょうか。則は、したいこと「ゲーム」が目の前にある中で起動画面という壁があり、突破が強いられる環境と強いられない環境が並んでいる。その時どちらを選ぶかとの話題。ならプレステ時代はディスクが王者だったじゃないかとの話になるわけですが、N64プレステ時代はフルスクリーンのモーションJPEGビジュアルインパクトがロムカセットの快適さを超えて喜ばしく受け入れられた結果でPS2時台も然り。加えてPS2はDVDですからあんなビデオやこんなビデオも再生可能な実質18禁ハード。子供にせがまれて親が買う導線はあまりに美しく舗装されていたことでした。ネットでピンクのドリームキャストはやはり時代の先を行きすぎていたと申さざるを得ません。ISAO様がsimカードを発売されドリキャスHDやゲームギア現代版に搭載されていたなら間違いなく今の時代と合ったことです。
そしてゲームの起動時間を飛ばす目的達成への壁の少なさは寧ろ、近年こそ証明されてきております。そう、レジューム機能。スタンバイ機能。
ゲームボーイアドバンスでソフトウェア側が利用可能なAPIとして実装され、PSPからはユーザがハード機能として自由に利用可となった、電源を入れると前回の続きからプレイできる仕組み。ゲーム機がゲームを目的した機械と考えたとき、ファミコンの「一瞬で起動」の快適さが初めて「一瞬で前回の続き」となることで乗り越えられた瞬間でした。(余談ながらPSVita。スリープ復帰時にロック画面を必須とせずOffとできる環境設定を設けられたならもっと売れていただろうと結構本気で思っています。)
近年PS4、Switch、XboxOne世代が従前以上に喜ばれ、PS5が売れて売れて令和2年12月28日現在全然手に入らない盛り上がりがある事実は、スタンバイ機能がプレイヤーの利便に直結すると世界規模で自然と認識共有された結果と思うのは、そう外れた考えではないように経験されることです。一度体験すれば決して戻れないほどの快適さが、スタンバイ復帰機能にはあるのですから。セーブが任意に行えないタイトルでセーブポイントを待たずにプレイを一時中断できる便利は素晴らしい業界のニューノーマルなのです。
以上から、私がアストラルチェインに対して抱いた希望、念願は然程間違っていなかったのだろうと思うものです。とても楽しいゲーム部分を、壁無く楽しみたかったという念願。

概説

アストラルチェインはゼルダタイプの3DアクションRPGです。無言系主人公の応答を脳内で描き出しながら目前の出来事へ対処し物語を紡ぐ様子の楽しい作品です。
クリアし思うのは、続編があらゆる意味でやりたい感覚。ストーリーの続きは勿論、本作のゲームシステムがどう洗煉されてゆくかを体験したい心持ち。
大変魅力的なシステムがありましたのでご紹介いたします。

守護モード

本作アストラルチェインには、プレイヤーに代わりコンピューターが自動で戦うモードが搭載されております。
敵のいる方角へ移動することで戦える楽しさはアクションRPGでもファルコムさんのデザインを思い起こします。そう、イースI・IIの遺伝子。敵の方角へ進めば攻撃になる様子がそっくりです。
おもしろいのが上記の守護モードが物語やプレイヤーの成長と共に「進化」する構造だったこと。レギオン(共に戦うパートナー)が増えれば、そのレギオンに新しい技を憶えさせれば、プレイヤーの技が増えれば自然とその増加に対応して動きのパターンが増えて行く。アクションRPGとして登場人物を育てる楽しみが包含されていたことは欠かせない素晴らしさです。故にもっと進化する守護モードを味わう時間をやっていたかった。ファイル12で使えなくなったことへの心からの残念と、続編での進化。その利用できるボリューム。それら「RTSとして楽しめるアストラルチェインの要素」が心の底から楽しみなのです。
勿論この構成が視覚を補助したことは申すまでもありません。初期値が日本語ボイスの環境設定といい効果音での有効化が確認できるロックオン機能といい、本当にやっていて楽しいバトルでした。何の不自由も感じないバトル部分の素敵さ幸せさ。

故にこそ、以下にプレイログを列記します。あまりに楽しくあまりにおもしろくあまりに愉快であまりに残念であまりにしんどくあまりに感動的であまりに悔しくあまりに次回作が楽しみなので、表記に揺らぎがあろうことはどうか御容赦ください。
どんな具合のプレイだったかをここに記すことそれ自体が、本作アストラルチェインの素晴らしさを今後に伝える縁となることを確信するからです。それではスタートです。

初回起動

鎖が蠢動し続けること継続する状況をQTEと理解します。
最初に「ZL」+「ZR」ボタンを同時押しで開始。
本作のLボタン、Rボタンには大きな意味があります。それを知る中で素晴らしい開幕と、演出としての理解と利便を求める心が心中でとてもせめぎ合うのであります。利便かアートか。両立有る未来へ向けてこそ、アストラルチェインIIの発売が待たれるのです。
この場面への理解の及ばず間違えてスクショ、ホーム画面を開くという一連の手続きを経由。おしゃれではあるし意味のある演出なのですが、そのために不便が生じたのは残念でした。Aボタンか+ボタン、叶うことなら許可いただきたかった。

ファイル1 始動

さてそんなQTEを抜けてプレイヤーのキャラメイク、性別選択名前入力へ到達。
デフォ名こそなけれどその他は全くそのままでスタート。元有る設定を大切にしたいと考えて入力しました。その初期値に実は素敵な意味があり、その事実共にこうしていてよかったと後日なることになります。
OPで語られるのは人類の切迫した状況とそこへの対抗手段の手数人員の不足、その手段としての敵の能力を利用するテクノロジーの運用と危険性。それはそれとしてこの会話シーンでスタッフクレジットが出てきましてもうめちゃくちゃかっこいいので泣きました。よくぞこうやってくださったと。
主人公にはこの敵、キメラへの対抗手段であるレギオンを御する特性があり、故に選ばれたとの描写に「社会からの主人公の存在の要請」が描かれる面白さを感じます。
バイクアクションへ。基本はウィリーしつつ射撃しつつ無線を聴きつつ前進。アキラちゃん、搭乗(主人公は男性でやってみました)。
インターネットの噂ではキツい妹ちゃんだと聴いておりました。全然違うではありませんか。逼迫した状況からの混乱とそこからの無線であるから声を荒げる発言は自然の結果ですし二人称は彼らの紡いだ歴史故ですから粗暴とは別ジャンルです。
よっしゃ待っておれよ我が妹よと高速道路のトンネルを抜けるべく先へ進むとバイクから投げ出される主人公なるムービー。
救護現場へ到着した主人公はフルボイスで怪我人の搬送を頼まれます。それを無視してトイレ探す猫探すなど知るよしも無く進捗。人生には思わぬ機会があってもそれを見落としている場合がありますと教育されることです。
何かが違う、と感じたのはここの作劇でした。
ヘリが搭乗します。たいていこういう所のヘリとは墜落か爆発なのでありますが、救護、発進、不時着、パイロットは無事と。ハデさでなく必然性から状況を描く作品なのだと凄い引きつけられました。これは今後も安心して楽しいに違いないと。
そしてこうしてクエストを受けるゲーム性から物語の進捗には視力必須を把握。なればその中で、バトルを中心に楽しむことへ希望を抱いたことでした。

ファイル2 覚醒

平時のアキラちゃんと初対面。責任感ありつつジンさんとの思い出も大切に主人公と共有する話題に家族の安心を自覚する素晴らしい妹さん。邪険に主人公に当たってくるタイプと、寧ろ対極の印象があります。
そしてセーブへ。…ただ私はセーブをしたかっただけなのですが…何故こう何度も何度もセーブを行うかをダイアログで尋ねてくるのでしょう。スロットA、Bそれぞれがオートセーブだから間違えて上書きするリスクがあると今ならわかりますが、ならスロットCDEと増やせばよいのであり、オートセーブもオンオフ可能とされれば解決されたことです。何故ニーアオートマタでオートセーブが行われなかったのか。アネモネさんのキャンプでの説明でオートセーブでないことを恨み込めつつテキストされるのも結構でありますがそのオートセーブがないことで任意のロールバックができればこそ安心して試行錯誤ができることを喜ぶことができるものなのです。もとい十三機兵防衛圏のようにオートセーブスロット1つ、手動セーブスロット複数とされれば何の問題もなかったはず。オートセーブを徹底させるなら作中パソコンでのセーブ自体を削除するのも一つでしたでしょう。未練なのか何なのか、その半端こそが辛くあったことでした。
そうそうもう一つ、私の頭が悪い体験をしたことを記録しておきます。ファイルセレクトをセーブファイルセレクトと早合点してFILE01に間違えて戻ってしまい、FILE02への戻り方に思い至れずもう一度FILE01をクリアしました。説明を読まなかった私が悪い、全くその通りです。アストラルチェインに存在する不便はすべてこのように正論で併殺できるものばかり。こうして私自身が正論でその軽挙を批判できればこそ、熟練を求める構造そのものへの疑問、利便より優秀な頭脳をプレイヤーに求める構造への疑問が灼かとなります。
こうしたミスをありつつもネウロン所内で挨拶回り、人類の「日常」を維持する組織ですからこそはその中の空気が穏やか暖かい職場環境であることに大変な魅力を感じました。ホワイト職場です。
そのホワイトの極みが上司たるマックス隊長お父様。いざ現場へ出撃とヘリポートでプチブリーフィングの時アキラちゃん役立ちます戦いますと勇み立つのを止めて、無理をせぬよう説諭されるお父様とジンさん。アキラちゃんを低く観ていないからこその愛ある抑止に胸底の温まることでした。
ジンさんのチュートリアルも最高でした。何が最高とて、一切何もやらずに先へ進めるのが。何やら残念そうな彼に対するのは心にいたいことですがそれはそれ、何かを強いられないというのはそれだけで救われる人間がおることなのですからスルー可能なチュートリアルに実に感謝されたことでした。ですからこそは、この飛ばせるチュートリアルの継続がなかったのは残念でした。
さて、現場へ至るムービーでヘリから「降りる」かっこよさを味わいつつ調査で現れた現場には「地面の手形」と。具体的な要素に下支えされた事件捜査には自然と世界へ引き込む、プレイヤー自身も具合を考える楽しさを生じます。細かいことだけれど所轄の警察の皆さんが自分らネウロンの介入を越権と考えている、あまり良く思っていないことへマックスさんが自然と了解されていること。ご自身もプロ故にこそお相手の専門性を把握され重んじられるそのお具合に、わかるわかるとなったこと頻りであったことをここに記録いたします。
ハードボイルド電話男を捕縛したりサキさんの詩魔法よろしく喧嘩はやめてと民間人を縛ったりとしておりますと(レギオンというキメラへの対抗手段が主人公には支給されており、そのレギオンと主人公をつなぐ鎖(チェイン)で縛ったりひっかけたりできるのである)、矢庭に猫の鳴き声がしてきました。助けられるのだろうと数十分を注ぎ、諦めました。後日知ったのは初回プレイでは決してこの猫を救えないこと。ファイルセレクト必須案件。しかし徐々に明らかとなる本作の「過去より未来」の主義と照らせばこの猫を救えるのはあり得なかった過去とも理解されることです。そこから去らねばならない辛さは中々のことでした。

ボス戦が終わりますとアストラル界へ。キメラとその原因たるレッドマターの発生源です。
調査を進める面々は、さて窮地へ。
豪華なムービーをふんだんに用い語られるのは、主人公が背負うことになった重責と、その自覚を持つより速く変転する状況。脱出。
優秀なロックオンにも支えられたバトルを背景に語られるやりとりから大いに物語は盛り上がるのであります。
そして一段落。チェインジャンプをしなさいと。
理解しています。バトルでも有用なこのテクニックを体験させるチュートリアルであると。プレイヤーの上達を促してくださっている。ですからこのチェインジャンプが必須のギミックを否定するものではありません。ただこう願うばかりです。必須のレッドケースでなく任意のブルーケースでやっていただきたかった。
ニーアオートマタでも二段ジャンプどころかジャンプ中の空中攻撃での滞空時間延長を駆使してようやく届く足場への到達をストーリー本編に入れられた辛さと同室の痛痒を感じます。ジャンプのボタンを押す長さでの高さの変化、上昇中での空中攻撃での距離延長、二段ジャンプ。全て、言うなればアクションゲームの常識的な操作です。しかしその常識へ思い至ることが発想することが叶わず、2人、これを原因にしてニーアオートマタのプレイを諦めた人間を私は知っています。あれは本当に残念なことでした。
そんなチェインジャンプ地帯をくぐり抜けてクリア。物語を動力源に次へと進みます。

ファイル3 繋索

プラント爆破のワンカットから入る物語は、主人公の激動を別にして世の中は粛々と進捗するのだと教えられます。
主人公の人となりが知られるラッピー所内案内に癒やされる時間。唐突な登場に驚けるのは感性の力です。無感動な人間ではないのだと主人公のパーソナリティを知れたのはロールプレイの楽しさを愈々底上げしてくださることでした。
しかしその後の地下駐車場でのアキラちゃんの「処分」の表現には、日頃から「処分」を生業とする職場故にこそ殺処分も十分に考慮範囲内故にこそただならない緊張感。実際は真逆で何よりでした。
今回もヘリで現場へ。毎回異なる現場への着地シーンに感激しつつ調査を進捗。猫。
このシナリオではアキラちゃんの人となりも主人公と同様に掘り下げられます。まずおもしろいのは先行するから後から付いてくるように行って足場を崩しながら彼方へ消えていくアキラちゃんという名シーン。おもしろすぎました。
そうして本ファイルラスト、アキラちゃんがお父様の志を、その行動でなく理由から分析して語るところ、受け継ぐ決意を語るところ。そんな妹と共にあれることを誇らしくあれる瞬間でした。オリーヴさんもあれトレスしつつ通信してきている辺りわかっていて黙認なのがあり難く。組織として筋を通すことと運用の柔軟性の二つながら描かれ。やはりホワイトですネウロン。
しかし、アキラちゃんの元々使っていたアローレギオンを回収するところは2時間以上を注いだ事実を思い起こします。最後にAボタンを押す必要があるのは気付ければこそ知ればこそクリアできるところでした。知っているかどうか、知識とは大切です。
故にここに記録します。レギオン・ネメシス戦の最後は全てAボタンです。ある程度戦ったら戦いつつA連打いたしますれば先へ進める。未来にプレイされる方の参考となりますように。
そうそう、道中にしゃべるドローンと遭遇。部品をもってきてくださいとなります。部品を探しに行く際の動く足場が楽しいかどうかはさて、落とした部品(ジャイロセンサー、映像伝達用ケーブル、チタンギア)の役割を丁寧に説明頂くのが楽しい具合。自然と長いお付き合いとなります。

ファイル4 籠城

これも私が悪いのですが、ファイル開始直後のムービーの際に本体スリープをしてしまいまして。かなり重要そうな内容でした。それはさて、スリープから復帰しますとムービーは終わっており操作可能画面となっておりました。
あわててホーム画面からアストラルチェインのアイコンでXボタンを押してソフト終了、タイトル画面からファイルをロードしました。当然のようにムービーは終わった状態でオートセーブされており、再見は叶わず。次のファイルへ進んでから自席パソコンのファイルセレクトでここへ戻るの流れが確定されました。せめてセーブデータのロード時にファイルの最初からプレイ、あるいはギャラリーモードからムービー視聴といったもののあればと本当に残念です。勿論このタイミングでスリープいたしたこちらが悪いとして。…悪いのかどうかはよくわかりませんが。人生もオートセーブの至言を肌身に理解します。
気を取り直して。ネウロン本部内にXボタンで移動可能な行き先にセーフハウスが追加。リアルな猫描写に自然とねこあつめへのモチベが上昇されます。
司令への敬礼からスタイリッシュ、地下駐車場からバイクで現場への流れもスタイリッシュ。特にまず遠景で被写体を映してから足下を映す、所作へ入れば人物を中心に映す。これらをカメラを素晴らしいタイミングで切り替えながら描かれるかっこよさは、ひょっとして日常の所作もカメラワーク次第でかっこよくあれるのかも知れない、ならかっこよく人生生きるのはいいことだとさえ思えるほどのかっこよさ。
1時間ほどアストラル界でアローでの射撃先がわからず突破。あそこで精密射撃が必要になる状況的必然性がわからないのが何より辛いこと。状況的必然性がないのならゲームとしてお入れになられたのだろうと推定されるのですが、何故レッドケースの途中に置いてあるのかが重ね重ね不可思議です。ジェナさんを追いかけたいので精密射撃をしたいのでないと申しましょうか。
無事に突破されれば次々と物語は進捗。アークモールで粘液の床へ捕らわれたときにそれこそチェインジャンプを使って脱出の流れには凄まじい説得力。アストラル界に比較して現実での運用の必然性ときたら。こうなればこそは楽しい本作は、もしバトルと探索だけで構成されていたらどれだけ楽しかっただろうと思うこと頻りです。現実ならこうして楽しいギミック解決。
ジンさんの回想シーン、巨人の星の如くマックス隊長へ挑むジンさんの必死を踏まえつつ、一呼吸の大切を語るお父様の魅力を再認識です。今のジンさんの余裕もその果てかと思うと、主人公らへの劣等感が消え去る2の体験を早期に行いたいこと頻り。
そして出会ったアームレギオン・ネメシスの接しやすさ。故はラストがAボタンと知れていることに寄ります。こうもやりやすいと。正しい理解は物事をシンプルに把握する力をくださるのですね。
そして我々のアキラちゃんがえらいことに。余談ながらファイルセレクトで過去に戻れるのなら主人公、ここでアキラちゃんの昏睡を防げれば未来のあれこれを防げたろうと思うに付けて、あのファイルセレクトを未来を変える要素として用いたかったと悔やまれます。助けられなかった猫を助けられるのだからファイル11の未来も否定できるはず。そう何度思ったことでしょう。やはり続編が楽しみなのです。

ファイル5 宥和

ファイル2のアキラちゃんもそうだったのですが、ブレンダさんも然り、話しながら歩くシチュエーションが好きです。味わわせてくださり感謝です。
駅構内のエスカレーター、ホームから線路への移動などにステージロケーションの楽しさを満載しつつ救助、共闘ととてもチームワークが楽しい箇所。
アリシアさん、切ない。どうしてああなったのか。
アリシアさんといえば共闘です。彼女が戦っているところに合流してこちらも奮戦するシチュエーションの楽しさ。そこでのアリシアさんのモーションの作り込まれていること。2ではこうしたのを何倍にも体験したいことです。
そして今回もビーストレギオン・ネメシスをAボタンでゲット。楽しいじかんでした。さて、ファイル6。と、ならない。
ビーストレギオンへ騎乗。Bボタンのステップでの溝ジャンプ、風の吹いている通路の突破方法を学ぶ、楽しい楽しいチュートリアルの時間が始まります。
赤く光る床が消えても時間経過で復活する親切より、落ちても自動でソードに切り替わり引き上げてくれる親切より、この強制チュートリアルを実装しない親切を頂きたかったと心から願います。最初のジンさんのチュートリアルをスキップできたあのときのように。
それはさて、アクション要素を必要としないビーストレギオンを用いる要素に嗅覚調査の面白さ。ビーストレギオンがアクティブ時にZLボタンを押して操作可能とすると、掘り出せるものが近辺地面に埋まっている場合にその距離を音で知らせてくれる。おもしろいのが距離が縮まるほどに音の間が狭まってくる構造。落下ダメージと無縁のギミックでもあり、ドローンを助けると目的も明確だったこともありとても楽しくございました。それにしてもその後に強いられる柱を牽引して繋ぐ、赤いブロックを青いエリアに入れるとは、それほどに楽しいのでしょうか。不思議です。
ジェナさんは色々うまくいかないもどかしさを抱えつつ、主人公らへ一つの情報を伝達。リムーバブルディスク万歳。
盛り上がってまいりました。

そしてデータベース閲覧画面へ到達。
オートセーブな本作です、このデータベースを閉じたとして、次にいつ、この画面を開けるかわかりません。全てを閲覧する覚悟を必要とします。ロックされたファイルを含めて。
これまでに様々な経験をいたしました。戻れないオートセーブ、クリア不能のブルーケース、突破が必須のチュートリアル。パズル。
故にならこそは、その時に行える全てを尽くすのは本作への、寧ろ礼儀とさえ考えられることでした。やり直せないからこそは全て手の及ぶことを行う覚悟です。
ロックされたファイルの解除パスは初期設定なら『1125』。主人公らの誕生日ですね。DLCシナリオか映像作品で楽しみたい、そんな素敵な物語でした。

ファイル6 従犯

初めて主人公がプレイヤーの手を離れ、自らの意思で動いた場面と味わえる楽しさがあります。例えばここでネウロンに残るルートなどもあり得たこと、そこをそうせずああするとは主人公の「真実を知りたい」との考えの表れ。物語の先が愈々気になる様子が加速されるのでございます。
アイス…何のことでしょう。私は何も知りませんし、その知らないでおれるこの状況こそ嬉しくあるのですから。もしも例のアイスがレッドケースだったらと思うだけで恐ろしいし、レッドケースでなくて本当に、本当によかったと胸をなで下ろすことです。
09地区、伍番街へ。噂のお粥、ごちそうさまでした。テイクアウトがあったからアキラちゃんにお土産。あとで渡すことにします。復活の彼女と再会が楽しみです。
同地区に暮らす人々が形成する日常描写に癒やされます。変にダーティに描いていないことに魅力を感じるのです。フェアだと。そして突き詰めれば個人だと。気持ちの良い作劇。
Lスティックをクリックでしゃがむのだったと思い出しながら排気口へ。それこれと物語を進捗、緩衝するべき監視カメラの場所が見つかれば順調に次へ次へと。消える足場はトライアンドエラーで。
何がいいとてハル君のあらたな側面が拝見できること、静かな彼は魅力100倍増しです。いつに増して静かな語りに説諭も離れた自分は語るべきでないというポジションも把握されての具合なのが。続くラスト。VSホムンクルス。主人公のアレな立場は立場として駆けつけたネウロンの皆様と共闘の流れが好きすぎて。組織運営の柔軟さは大切です。本当に大切。

ファイル7 暴徒

まず最初から素晴らしい。規則違反が糾弾されるのでなく、逆に礼賛されるのでも無く、規則として粛々と営倉入りの懲罰を受けるよう手続きが進む様子のリアリティ。本作のシナリオへの好感が愈々増大されました。普通に面会もあれば通信も入る平和懲罰にほっこりです。
そうする間に鳴り響くアラートです。ヨセフ司令責任のもとで主人公が出撃となる流れも責任者が責任を果たす手続きのうえでな流れの自然さに感謝の極み。
どうやら急ぐ様子の描写ですがオートセーブの本作です、本当に急いでしまったら準備が不足します。実質この最初のネウロン内探索は時間が止まっているようなものなのだから存分に利用するのがよいのです。
エクスバトンをレガトゥスをパワーアップさせつつレギオンをメンテしつつしていたら、サラさんが無理を押して出撃しようとする同僚へ凄まじい眼で止めるべく目で語る様子を目撃。「目は口ほどにものを言う」と言います。言葉を発さない彼女故にこその対話、交渉が大変素敵でした。
さて今回も出撃。アランさん、救出間に合わずに落ちても落命されないのですね。オートセーブでしくじった状況への配慮でしょうか。それはさて、汚染された警官というレッドケース。今まで有り難く使わせて頂いてきた守護モードをOFFとすることを必須とされたデザインが残念でした。必要から行った環境設定を自ら否定することが、突破の入り口。この辺りニーアオートマタのCルートは2Bの逃亡劇で敵への自動ロックを行わないよう設定変更が必要だったことを想起します。
その残念を乗り越えて更に先へ。すると素晴らしい場面と対面。ホムンクルスβ戦前後の警察の包囲殲滅作戦の流れが素敵なのです。主人公一人で戦っているわけではないとなり、決戦兵器の搬入や準備、避難誘導含め主人公が戦う相手と様々な形で戦っている「他の人々」の描かれるのは素晴らしいことです。

ファイル8 寧静

ユーザーにこんな思いをさせるのは、やはりどうなのだろうと思わなくもないことです。
ですからスルーです。できないケースがあろうが時間が間に合わなかろうが関係ないと。まだしもこのファイル8の前半、中盤は平和なのです。諦めてアキラちゃんに話しかければ物語は進みますしレッドマター汚染除去は間に合わなくても問題なし。その後に強いられるアストラルパズルの方が、言うなれば避けられない分愈々深刻なのですから。これも回避したかった。
アックスレギオン・ネメシス。入手。技術を教わっていたと思っていたら志を教わっていたと思い起こすアキラちゃんの過去が故にこそ、その未来が幸せであってほしいと願い、そのためにも力を尽くしたいと感じることです。

ファイル9 救世

私がやりたかったアストラル界は実にこれです。移動、戦う、移動、戦うの反復。もう、どれだけこの時間を待ちわびたでしょう。なぜこんなに後の方に。こんなにも、こんなにも、こんなにも楽しいのに。
途中で拠点、慌ただしい拠点へ戻るに際してその中でいろいろと支援物資を頂ける。主人公の人徳を実感するのです。
そして一つのクライマックスへ。
バイクの奥スクロール、横エキサイトスクロール、奥スクロールを経てボス戦へ。
そしてジェナさん。人としての維持の大切を語るなら最初から主人公らに話すのでよかったでしょうに。なぜこの際で。
左右スティックを回して終了。
翻弄される立場の辛さと主人公の未来が案じられます。

ファイル10 狂気

ハル君がとてもとても重要なことをおっしゃる。ここの情報をしっかり記憶することで開かれる未来への希望。いきなりのファイル12でなくこの場面が描かれたことを心から感謝いたします。
さて、オリーヴさんと共に。…ここも貫徹して未来への進行が表現されており、敵に見つかりそうになったら失敗やゲームオーバーでなく「逃げてやり過ごした」こととなる作劇。本当に本作の「過去へ戻させない」描写は徹底的なのですね。
細い足場を渡っていると自然にアローレギオンが出てきて射撃をしてくれました。おかげで敵に見つからず。…なら。なぜ…ファイル4 籠城のアストラル界ではアローさん出てこられなかったのか。残念です。
アキラちゃんとの最後のZL、ZR連打合戦が楽しくありました。ただこの融合システム。シナリオの今後を考えるとスーパーロボット大戦αのSRXのように使わずに終了とならないかが心配になりますので積極的に使うことといたしましょう。

ファイル11 済世

何故アキラちゃんが黒レギオンを大切にしていたかが明かされる。その気持ち、とてもわかるとなり。庇護されるのは、ある意味辛いことですから。
さて、そうして盛り上がった物語へ水を差すどころか水浸しにしてくれるのがノア戦の最初。チェインジャンプを、攻撃をかわしながら、6回と。プラチナゲームズ様、これを本当に「心底から楽しい要素」と思われて作られたのでしょうか。3回でも4回でもなく6回、失敗したら最初から。カメラ固定でのスティック操作の難儀。ZLは押し続ける負担緊張。あるいは壁超えた先でのエンディングの感動を意図されての設計なら、どうかどうか、そっとしておいていただきたかった。ここまででも十分に種々の壁を超えてきたことです。敵が強い、のでなくどれだけレギオンを主人公を強化してもここは関係ないこと。例えばここでアームレギオンのブルーシールドで崩される足場事守る、ビーストレギオンのステップでも回避可能、複数の正解がせめて有ればと。続くVSコアと本体戦は、難易度守護では何度倒されても復活できますから実質消化試合です。こんな、難敵と戦うシステムを導入されておきながらその直前にこの6回のチェインジャンプを入れられる、その不可思議。簡単と思えるような難易度があればこそは希望を抱いてプレイをし始めたことをこの歪な構造に何度悔やまされたことでしょう。
そしてエンディングへ。アキラちゃんの覚悟を無駄にすることなく言葉を聞き届けました。この直前、彼女が戦う理由を聞いていたことと合わせれば本当に願った行動だと理解され、そのように選択をいたしました。アックスと共に。
コントローラーがスタッフロールの歌曲に合わせて震動するのですね。おもしろい。

ファイル12 再興

主人公のモノローグ(フルボイス)から開幕。
それはさてこのモノローグ、+ボタンでスキップできてしまうのですね。なぜそのようなことをされたのでしょう。アップデートで修正をされなかったのでしょう。スキップをするようなユーザーが悪いといくら言うことができても、しかしコントローラーをエンディング曲に合わせて震わせて遊ぶその工数を少しでもここのスキップをしないようにする実装へ、プレイヤーの後悔を減じる側へ振り分けて頂きたかったことです。残念でなりません。
一方、オリーヴさんから事案を受注するときのYボタンのあれは、何かの消し残しでしょうか。それともDLCのフラグでしょうか。
ファイル12で初回だけ話したらアイテムを頂けますが、その台詞はもう2度と聞けません。再度拝見するにはまた最初からプレイしてここまで来なければならない。諦めることの大切さが教えられます。
ところでタブチ君、駐車場で主人公と気さくに話してくれた彼の昇進が決まりました。とても目出度いことです。祝うブルーケースが欲しい。
技術班のキジマさんは民生用アイリスの配布へ尽力し、アランさんは主人公との戦いを継続。彼にはぜひ、特に主人公に勝ってほしい。主人公に勝ってほしいといえばジンさんも。こと実力と経験は彼に並ぶものないのですから2での主人公が霞むほどの大活躍を願っています。
ブレンダさんと共に踏み出す新世界が、2の体験が素敵なものとなることを心から願っています。
ヘリポアキラちゃんと共に。
そうそう、後日ファイル11の別エンドをいたしました。アローさんが出てきた。アローさんの元オーナーはアキラちゃん。あれは即ち、「そんな心配せんでええで」とのアローさんのメッセージであるのでないかとの考察も叶うわけです。ファイル10冒頭の主人公が回復の際の昏睡は、時間こそ短いなれど同じような流れなのですから。そしてその記憶が連続的であることは誰よりプレイした我々が知っている。だからあのアキラちゃんは誰がなんと言おうとデータベースが何を書こうとアキラちゃんです。間違いありません。

終わりに

素晴らしいゲームでした。
オートセーブで基本過去には戻れない、戻るには自席のパソコンへアクセスしてファイルセレクトから実行の必要あり。
そうした作品の流儀を把握すればするほどに、楽しくなる作品でした。
システム物語両方で描かれたのは、過去を悔いる以上に未来へ向かう素晴らしさ。
ファイルクリアを筆頭に、条件を達成するとアイテムが頂けるギミックがレガトゥスメニューにございます。
ボス戦の最中でもレギオンの強化が可能です。
未来へ諦めないための手段がメニュー画面にもこれだけ詰まっている。
そういえば本作のキャッチフレーズは「その鎖で、未来へつなげ」でした。ここまで濃密に、未来を大切にされていた作品だったとは。次作があるならこのオートセーブは作品カラーとしてぜひ継続頂いて、アクション要素へとパズルが任意になることだけ少しばかり期待しつつ、それ以上に作品を楽しみたく思います。(理想はベヨネッタ2のようにチャプターセレクトメニューに戻った段階でのオートセーブという小声はさて)
間違いなくアストラルチェイン2かアストラルチェイン0が出ましたら購入いたします。これだけ楽しい濃密な時間を過ごせたのですから。
出会いに感謝を。
  それでは今日はこのあたりにて。

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