喧嘩番長乙女

ジャンル拳で恋を語る恋愛ADV
ハードPS Vita
公式サイトhttps://www.kenkabancho-otome.com/

はじめに

場所移動と選択分岐を繰り返し、目的とする相手との親交を深めながら物語の結末を目指す、ノベルタイプのテキストアドベンチャーです。
ある事情から主人公は周囲に己の女性たる性別を隠さねばならず、男子高生たる相手へ「友人」として接するか「異性」として接するかで物語が大きく変化する部分が面白くございます。

シリーズは作品毎に種々変化。この変化があればこそは、ぜひ3、4、5と続き、時には主人公が変わる、社会人編などもありつつ大河の如く次々と発売されてほしい。そう自然と欲される、実に愉快な作品でした。

それではここで、これまで発売されたシリーズを振り返ってみます。

無印=システム面からは最も快適にプレイできるシリーズ作品。特に前半はギャグとストイックのバランスが素敵で。
FD=セパタクロウ。圧縮が激しかったのでしょうか、ロード時間が伸びました。そして環境設定で効果音ボリュームが最大に設定してもデータ保存時に一段階音量が下がってしまう挙動あり。アニメ版のプロモ映像が入っておりそこではなんとひなこちゃん(主人公)のボイスを拝聴に及べる素敵要素搭載。
2:バトルシーンがACTへ。任意に攻撃のできる新式バトルでのイベント呼応の特殊台詞、実に燃えるのです。効果音音量が最大で保存されない挙動はFDに続き2でもそのままでした。加えて移動マップでL/Rが場所移動となりクイックセーブロードが不能になり、クイックロードとバックログからのシーンジャンプを連続するとシーンスキップ不能となる挙動がございます。


バトル

本作にはバトルパートがあり、無印とFDでは画面に表示されたコマンドを正しいタイミングで入力する、2ではフィールド内で移動と攻撃、ゲージ消費で立ち回るアクションとなっています。
面白いのがこちらのバトル、どうしてもクリアできない場合に備えて、敗北画面で「勝ったことにする」などいう、その文字列から楽しい機能が搭載されています。物語のみでもじっくり味わえる新設設計なのです。

おわりに

無印、FD、2とシリーズ通してプレイし素敵だったのは校長先生。本当に素敵。2でのマイクのハウリングなど萌え死ぬかと思いましたほどで。校長先生√、校長先生シナリオ。本気で欲しいです。
そんな魅力的な校長先生が翻弄されるほどに荒れた学園故にこそ、逆に気になったのは伊東さんはアクセルの踏み方がすごいんですよ。ヤンキーを飛び越えて、極道の世界まで行きますから。とインタビューに書かれていた方のシナリオ。そちらをぜひプレイしたかったと。そのプレイの叶わなかったのが返す返す残念で。3でのライター伊東氏のリミッター解除、心の底から願いますし楽しみにしています。
加え、ファンイベントで提案された「無双系アクションバトル搭載」という進化の形。本家オメガフォースさんのエンジンでもしも喧嘩番長乙女無双が発売されたなら…と考えると今すぐプレイしたいと自然と思うのでございます。2のタッグバトルで雑兵が増えてパートナーと合体攻撃など、できたら天国でなかろうかと。歴史に残る名作が生まれるに違いないのです。
以前、ツイッターのどこかで「乙女ゲームは今後なくなっていくのではないか」との、とても切ない投稿を読みました。
しかし、あらためて乙女ゲーなる存在を考えたとき、系統的に乙女ゲーとして発売されている作品を一覧しますと、その実際はテキストアドベンチャーでありノベルゲームだと瞭然されます。そこから計算しますに、テキストアドベンチャーがゲームとして存在する限り、特段に女性層を意識した作品、その逆、ミステリーにSF、更にはVRタイトル。今後にこそ発展のあるジャンルと思われるのです。
その中にあってせっかく結実されファンミーティングも盛況の内に終わった本作です。上記、無双アクションの発議は事の確信と思えてならず、客層が限定されることなく、本シリーズが愈々幅広く楽しまれる今後であることを願っています。

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