ファイアーエムブレム無双

ジャンル:タクティカルアクション
メーカー:コーエーテクモゲームス・任天堂
対応機種:Switch New3DS
公式サイト:http://www.gamecity.ne.jp/fe/
備考:序盤に視力必須の場面あり ロックオン機能あり キャラクタ切り替えシステムあり

はじめに

インテリジェントシステムズ様と任天堂様のSRPGブランド「ファイアーエムブレムシリーズ」が無双になりましたと情報を聞き及び、更にキャラクター切り替え実装との情報を得たとき、恐らく視力を用いずプレイできるに違いないと胸ときめきましたのをまるで昨日のことのように思い出します。
が、私は購入へ、少しばかり二の足を踏みました。理由を考えますに、それは大変懐かしき「恐怖」に由来致すところでした。
初代CMのキャッチにあった「手強いシミュレーション」こそは魅力であり原作のプレイ体験でもあります。
以前にプレイしたとき、アーマーナイトの防御力を頼りとしておりましたら突如ハンマーやアーマーキラーに見舞われ瞬殺された恐怖。
ジェイガン大先生(パラディン)を使いましたら成長率の低さに経験値が吸収された事実に戦慄し、気付けば部隊全体の総火力が減じていたのだと気付かされた長期的恐怖。
レベルアップ時パラメーター成長がランダムな恐怖。

故、本作は難しいのではと疑問し、同時に視力を必要する場面が実際には頻出されたらどうしようとの不安があったのです。
それはある意味正しく、そうして素敵な方角に間違っていたのでした。接しやすく難しい。近年に近い空気は…リズム天国。親しみやすさとストイックさが同居する空間がそこにございました。
それでは以下、スタッフロールへ筆者が到達するまでの軌跡をご覧ください。

序盤

はじめからプレイを開始いたしますと、ラスボスの空気漂うチュートリアルステージ。
方向キー上下でキャラ切り替えが可能と気付きつつ闘っておりましたら、美麗美麗なムービーシーンを挟みまして本編のスタート。
いざ操作が可能となりましたら、主人公一人のみ用いて、先へ進む必要があると気付かされます。
頼みの綱だったキャラクター切り替えシステムが利用不能であるのは大いに残念のあることでした。
攻略サイトには奥に進めば何時かゴールへ至るとあれど、なにをどうしようと当方環境にてうまくいかず。
諦めて電源を切りましたら、セーブがいつの間にか行われていて該当のステージから再開できる挙動へ気付きます。
そうしてリトライする内に、少しでもこちらの攻撃が相手へ当ればその続きの連撃が、その敵の側へ自動補正されつつ放たれる事へ気付きます。コツはその時スティックへ触れないこと。
どうしようもなくヒットしなくなればヘッドホン装着、敵の足音、味方の交戦なんでもいいので音がしたら全力でそちらの方角へ移動をしつつ、弱攻撃に継ぐ弱攻撃。運良く敵へヒットすれば自動補正へ任せつつ進む。これで比較的、あくまで比較的ながら先へと安定して進めるようになりました。

続いてステージ2の村。ここもプレイヤー単独。
途中キャラ切り替えが一時的に解禁されますがすぐに終わること。その後脱出地点への到達は視力が必須であり、もう一度やってできる自信がありません。

中盤

ミッションの更新とともに自動的にAIが移動先を変更する他作と異なり、目標がなくなったら屡々キャラクターの移動がストップされる事へ気付きます。
そんな時はプラスボタンでマップ画面を出しつつ味方へ指示を出すのですが、頻系にその作業途中にZLボタンを押さねばならないのは結構に辛いことでした。階層が深くあったのです。
まずZLボタンで味方キャラ一覧表示、Aボタンで人物を選び、再度ZLボタン。
そこで移動先を指定するのですが、現在位置を知るためにXボタンを押してサブメニューから、項目数が1か2かを確認しようとすると(2のリストからRボタンを一度押したものが敵一覧)、それが例えば2で、敵のリストではないと気づいた時。Bボタンを一度押すだけではユニットリストに…どういうわけか戻れないのです。
なのでBボタンを2回押してマップ画面へ戻ってから再度ZLボタン、LRで目的の一覧を選んでAボタンで指示。これでようやく指示が終了します。
これを、プレイアブルキャラのみとしても4ユニット分。
正直、疲れました。

疲れたと言えばスキル習得システム。
インターミッションでコンボを増やす、回避アクションを追加するなどのプレイヤー強化がポイント消費で行えるのですが、
これまでの無双ではただレベルアップで自動に習得していたものを手動で習得させる手数があること、その習得確認がダイアログになっていて毎回「いいえ」を「はい」に切り替えてAボタンを押す必要がありますこと。
比較的、苦痛でした。

終盤

どんどん面白くなります。
最低難易度でも激烈に強い敵エース格と開幕直後に対峙する場面が出てきたならば、敵将をLボタンでロックしステップで裏へ回り込みつつの隙を見て連撃。まるでソウルキャリバーの戦略です。キャラ切り替えで硬直キャンセル。まるでKOFのストライカーシステムです。そんな強い相手と闘う時、突破の材料として先程のスキル習得がどれだけ希望となったでしょう。
その意味から私的にはスキル習得の一連はとても楽しくあり、クラスチェンジの特殊演出はBGMまで原作と同一で巻動物でしたこと、追記いたします。

終盤にはほぼプレイアブルキャラ4名出撃でキャラ切り替えは常に利用できますから視力を必要する場面はほぼなくなり、ただただ充実ある無双アクションが楽しめる次第です。
先述の指示出しもペガサスナイトにのみ指示をして後は待機し、扉が開く、次のミッションが生じるなどしたらまた自動で動く場合も多々あり、どう楽をするかを考える楽しさもあることでした。

そうこうしている間にラスボス、無事に撃破となったのでありました。

おわりに

本作の物語は実に、作品のための物語でした。
今、あらためて振り返って思うのです。ゲーム本体のプレイこそが物語を上の如く紡ぎ、物語そのものだったと思い起こされると。
ある意味チュートリアルが強いられる最初程難しい本作。
経験し、慣れて時々運を味方にし、学習と理解が素晴らしいプレイ環境を連れてくるこのバランスこそが、なによりの原作再現でした。
視覚障害をお持ちで本ページをご覧の皆様へ。最初の不便さえ突破すれば、大変挑み甲斐のある世界が幕を開きます。
簡単なのではありません、遊びやすいのです。
易しいのではありません、問題解決の手段が多く用意されているのです。
爽快なのではありません、痛快なのです。
単純なのではありません、便利なのです。
言葉通り、インテリジェントなシステムがそこここに体験されました、そんな一作でした。
これで本作が終わるのは大変もったいないのでアイトリス平定編といった続編など期待しつつ、この魅力が更に多く広まりますこと、願います。
  それでは今日はこのあたりにて。

参考情報

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