灰鷹のサイケデリカ

ジャンル:幻想連鎖アドベンチャー
メーカー:アイディアファクトリー
対応機種:PSVita
ダウンロード版入手先:SENオンラインストア
公式サイト:http://www.otomate.jp/psychedelica/aa-nisus/
備考:システムサウンドあり 主人公含めフルボイス 視力を用いずトロフィーコンプリートが可能

はじめに

風のリグレットなどの珍しい例を除き、
TVゲームの製作現場にあって画面を目視しないプレイはおそらく想定されていないことと思われるのです。
そこへ来て、恰も画面を目視しないプレイでの快適さを万端整えていただいたかのように感じられるUIに彩られた製品へ接したときの喜びと感動は、故にこそ甚大だとあらためて本作に教えられました。
本サイトではこれまで、視力を用いずプレイの可能なコンシューマゲームを様々に取り上げてまいりました。
その故は、ただ視力を用いずにプレイできる事実への感動と啓蒙ばかりではありません。
むしろそこは出発点であり、そのうえでプレイして心へ残る、体験してなによりだったという心情。こここそはシェアをいたしたくとの一心でこれまで取り組んできたことでございます。
本作もその一つ。
UIが便利だったその先の素晴らしさも二つながら、今日の内容からお持ち帰りいただけましたらと思います。

システム

灰鷹のサイケデリカとは、主人公の目線で語られる分岐式のテキストアドベンチャーゲームです。
含まれるシステムの詳細は公式サイトのコーナーをご確認ください。
世界観は中世欧州風。
種族対立をテーマと舞台しつつ、外界からの閉塞がその舞台の外に覆い被さっている構造が実に伏線で、物語の途中、先を読み進めるエネルギーとなるのです。
そんな中で奮闘する主人公の魅力は後でたっぷりと語りますこととしまして、
まずシステム面で本作に出色であった部分を子細ご案内申し上げようと存じます。

1.カーソル移動音等のシステムサウンド あり
2.移動先選択のマップ画面、上下左右での項目選択式で端で突き当たる
3.スタートボタンでのオートモードのOn/Offが、それぞれ異なる効果音で通知
4.CONFIGでの設定変更時、オート速度や各種ボリュームの上げ下げに際し、最上限・最下限でカーソルが突き当たる
5.CONFIG画面を閉じたその瞬間オートセーブされ、設定変更の反映に気を回す必用が無い
6.CONFIG最中に三角ボタンで表示中ページの設定を初期化するダイアログへアクセス可能。間違って変更した設定を戻すことが赦されている
7.劇中現れる本、手紙、フルボイス
8.主人公ボイスあり

この事実を知り体験したとき、驚くばかりでした。
恰も視力を用いずにテキストアドベンチャーをプレイする際の不便を徹底モニタリングのうえ課題を全て解決されたような本作の仕様。至宝と確信する次第です。
この素晴らしいシステムが、世に広く体験されることを心から願います。

「より良く」を積み重ねること

平穏の内にも逆境の内にも苦難の内にも、主人公ジェドは己の思う最良を実現すべく、刻苦奮闘します。
彼女の体験したこれまでの苦労から平和は当然でなく、時に身を尽して守るものとの哲学があることを読み手に知らせるとともに、その大小様々な平和の実現の為に気を尽す折に見出される彼女の人柄の温かさが、端々に実感されるのがなお魅力的なのであります。
さて、ふと現実に戻るのですが前作の「黒蝶のサイケデリカ」をプレイしたとき、特に最初、状況説明と茫漠とした世界観が続く中でも進展しない状況、同質なやりとりの繰り返しが冗長さになっていたことがとても残念だったと感じられたのでした。
本作に、私的な実感ながら冗長さを省く推敲が、前作に比して圧倒的に充実して行われたのでないかとの感触がそこここに見出されるのです。
台詞一つ一つの具体的なこと、オウム返しの少なさ、指示代名詞の少なさ、場面転換の素早さ、ワンシーンにある分量の、いい意味での短さ。
卓抜された名文へ接する楽しみが、確かに本作をプレイしながら実感されたのです。
この実感できるのはとても珍しいことであり、メビウスライン、ユースティア。そんな作品へ今再び出会えたこと、この上ない幸福を自覚するのでございます。

そうして推敲され素晴らしい内容へと錬磨された本作と、その主人公ジェドの、常に周囲と己に良くあろうと努める考え方。とても似ているように思うのです。
システムも然り。便利で快適なシステムをと作り込まれた結果が上記の紹介の如く、視覚障害の不便万事を解決される根本原理にあったとしたらどうでしょう。
様々な意味で夢のようです。
そんな夢のように素晴らしい本作。そこに搭乗する人々。多く広く知られることを願います。

おわりに

女性である主人公は、故あって男性として暮らしています。
時に恋愛描写も描かれる本作にあって、結果恋人となる男性の認識が当初はこちらを男性として解釈していること、
本作の具合に素敵であるのはこの設定は入り口であり、世に尽し心に芽生えた正しきを行うジェドという、一個人を描くための要素として機能されていることです。
生き様の魅力に性別、年齢、過去の関係がなく、今のその人物こそは重要だと描かれている本作の全ての描写に対し、出会えてよかったと実感しております。
その浸透具合も現実的で、世の中全体を変えるほどではなくても己の周囲には確実に信頼の萌芽が育ち育まれていると描かれていること。或いは本作の描く希望の中で、最も灼かなのはこの描写かも知れないとさえ思えるほどの素晴らしさです。
その実直な生き様が、Vitaのゲームソフトとしてこの世に生誕した出来事であるかのような本作の発売。
ダウンロード版もありますこと、この素敵さが多くのVitaとVitaTVのうえで展開されることを願っております。
  それでは今日はこのあたりにて。



視覚補助情報

以下、本作を視力を用いずプレイするに際して活用可能な具体的情報を記します。

タイトル画面

上下移動 循環あり

  1. NEWGAME
  2. CONTINUE (セーブデータがある状態でのカーソル初期位置)
  3. OPTION
  4. ALBUM

主人公ボイスあり、名前予備有りでNEWGAMEから開始する方法

  1. タイトル画面からNEWGAMEを選択
  2. 名前決定を案内するダイアログが出現(ページをめくるような効果音あり) 再度丸ボタンを押す
  3. スタート



    と操作

ゲーム中操作

ゲーム中メニュー

ゲーム中三角ボタンでアクセス

  1. SAVE (カーソル初期位置
  2. LOAD
  3. OPTION
  4. FLOWCHART
  5. TITLE
  6. BACK

OPTION

・上下で項目移動
・左右で値変更、最大値・最小値で突き当たる
・L/Rでページ切り替え (全4ページ)

1ページ目

オートモード速度、メッセージ表示速度など設定。
どれも右ほど速くなるため、視力を用いないでプレイを行う場合は左右に複数回移動出来る項目は全て右端の値を推奨。
カーソル初期位置は「既読・未読スキップ判定」の項目であり、
ここのみ、左側の「既読のみスキッップ」の項目を選択推奨。

2ページ目

  1. BGMボリューム (カーソル初期位置
  2. 効果音ボリューム
  3. システムサウンドボリューム
  4. ボイスボリューム

骨董や

マップ画面の酒場から行ける骨董や。
購入できる商品は購入できるようになった時点で極力早い内に買っておくと、2週目以後の攻略が楽になります。
街の記憶を全て集めることも、トロフィーの条件であり隠し√への入り口であり。
その入り口が、骨董屋さんで売られている商品各種となります。
とくに街の記憶は、未読を視力を用いずに把握することが困難ですから
勢い既読スキップを用いた総当たりになろうと思います。
その手数は結構、しんどいことでした。
そのしんどさが、この骨董屋の商品購入を徹底することで少なからず減じます。
プレイの際は参考になさってください。

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