カラドリウス

はじめに

今日は私事から。
大学の時分、愛読しておりましたゲームレビューサイト様（過去形なのが本当に辛い、ジオシティーズ様に感謝）にて雷電なる大変面白いSTGがあるのだと読んで以来、ぜひ何時か遊びたいと気になっておりました。
同サイトから知れましたるインタールード、エリュシオン、斑鳩は視力を用いずプレイできるのみならず実に面白く心に残り、故にぜひ雷電もいつかプレイいたしたしと首を長くしお待ちしておりましたものです。
そうこうする内時は流れ、ネットインフラ大進化によりパッケージソフトのダウンロード購入が容易に実現可能な世の中が訪れました。
ふと検索しますと見つけまして、大変嬉しく購入しダウンロードしました。
実際プレイし感じましたのは「シンプル由来の気軽さ」です。アイテムもショットもスクロールもあくまでも2DSTGとして描かれ、ショット自機共に高い視認性が確保されております。加えてショット音、ヒット音、敵機の爆発音の大変明快な様。競技で娯楽な作品として、両方から接せる素晴らしい作品でした。
ここでさらに語りたいのが本作のゲームオーバーの仕様。撃墜され残機がつき、ゲームオーバーになったステージ(一度でも到達したステージ)から、いつでも続きを遊べるようになっています。
どれだけやられてもステージクリアさえ果たせば次プレイで先へ進める。これがどれほど嬉しいギミックか、どれだけモチベーションを上げるか。クリアの達成感も、ともするとその後の失敗で徒労感になり得るACTやSTGにあって、達成感を継続して味わえるこの仕様は大変な発明だと感激しながらプレイ致しました。
次に、ゲームオーバー画面で流れるBGM。「おつかれさま」との労いをいただいたような、ここで得た爽快感を糧にリアル世界もがんばりましょうと自然思えるプレイヤー人生への応援歌。
プレイ最中の気持ちよさに加。プレイ後も気持ち良く追われる、頗る最高であります。

こうして実際プレイし根底に流れるものに触れ惚れ、MOSS様新作出次第絶対購入と心に堅く決めました。

後日、MOSS様情報を追い掛け発表された完全新作「カラドリウス」の発売告知。
程なく掲載された雑誌のレビューを境に期待は絶頂へと高まり、XBOX360パッケージ版からスタートしてDLCにダウンロード版にそしてPS3版と、出たコンテンツは遍く即時購入していきました。

約された極上の達成感

ゲームの楽しさの要素に「達成感」があるよう思います。
本作カラドリウスが凄いのは、その達成感を味わえるセクションを上級者向けのもの（スコアアタックや隠しステージ）のみに限られなかったことです。
例えば難易度を「practice」としますと、敵が一切弾を撃たなくなります。
もう一度書きます、弾を撃たなくなります。
さて、ならばこの難易度、コントローラーに一切触れずクリアできるのかといえば全くそんなことは無く、雑魚敵の体当たり、地形の当り判定、ボスのパーツ分離攻撃などが組み合わさりプレイヤーが撃墜される因子は多々存在しているから面白いのです。
雑魚編隊の特攻にエレメントシュート（特殊攻撃）を重ねたり、そのエレメントシュートをどう強化し次のステージへ備えるか。地形の当り判定をボムの無敵時間で回避したり、残機数が減るほど補充されるボムを使うタイミングを考えたり。
このpracticeモードもしっかり熟考戦略叶う遊びとして成立しているから堪りません。仕様へ心底感激しました。
この難易度は初心者は勿論、視力を一切用いないプレイにおけるエンディングへの到達（創意工夫付き）を実現いたします。
無限クレジットでのクリアではなく戦略を立て考えてエンディングへ至れる構造。特に視力を用いず実現できるSTGは本当に貴重なので、視覚障害の有無に関係なくぜひ人生初の2D縦STG入門の1本に検討いただけたらうれしいかぎりなのです。

悲壮、且つ温かい物語

本編プロローグにキャラ個別のプロローグ。発売までこれらを読みながら、なんて凄絶な物語なのだろう、そしてどんな結末になるのだろうと大変胸躍ったと思い出されます。眼前に在り在りと風景の描かれる筆致、彼らの心情へ自然と入り込めます描写数々。
お時間のよろしい時にぜひご一読下さい。
劇中描写、特にエンディングの内容について、これらを読了後に到達されますとなお心へと染み渡り、おすすめコンテンツであります。

おわりに

本作シナリオの根底にある大きな要素のひとつに「性善説」があるよう感じます。そんな本作だからこそ、序盤から中途(特に3面)に賭けて徹底した絶望が描かれたうえでの、美麗なストリングスBGMと朗々たるナレーションに彩られた各キャラエピローグが光り輝く。
そんな魅力を肌身に感じつつ惚れ込むを愉しんでいたある日、カラドリウスのXBOX360版ストーリーページが更新されました。
時に2013年6月6日、上記のページがなんとスクリーンリーダーで利用可能となったのです。
元々好きで堪らなかった作品がハイパーオーバーリミットブレイク。一生忘れぬ出来事です。

上述の通り幅広い難易度による達成感と魅力的物語により綴られる本作、あらためておすすめいたします。
　　それでは、今日はこのあたりにて。
　　皆様もぜひ、パンプキンパイとカモミールティーを傍らに楽しんでいただけたらと思います。

視覚補助情報

以下、PS3版を記述します。PS4、PS5版も基本は同様です。
まず、ゲーム中の操作は公式サイトで確認いただけます。ぜひご参考下さい。

次に、初回起動時の手順を説明します。
OPムービー中○ボタンでタイトル画面へ進みます。
初回はインストールの実行を問われるので、左側の「はい」を選択後暫く待ちます。
インストールが終了すると自動でタイトル画面へ遷移するのでSTARTボタンを押してメニューへ入ります。

ストーリーモードを選ぶと、エヴォリューション、オリジナル、アーケードの何れかからモードを選ぶ画面になります。
そちらを選んだら下を2回、そこで左へ突き当たると難易度practiceが選ばれています。
上を2回押して丸を押すとキャラセレクトへ遷移します。

以上、ご参考いただけましたら幸いです。