スーパーロボット大戦UX
ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア ニンテンドー3DSカード/ダウンロード
販売:バンダイナムコゲームス(バンプレストレーベル) 開発:エーアイ
ダウンロード版入手先:ニンテンドーEストア
はじめに
「エヴァンゲリオンが出るゲームが出たとはえらいことだ」と説明書分厚いパッケージなスーパーロボット大戦α(PS版)を買いましたのが私とスーパーロボット大戦シリーズとの出会いでした。α発売かが2000年、もうすぐ14年(シンジ君の年齢と同じ)になろうとする今日この頃、色々ありました。スーパーロボット系の合体デモが収集要素な事実に感激し集め、αクリア後遡り遊んだFではムービーがアニメ取り込み、初めてパイロットの顔ありカットシーンを拝見し異なる感激、スパロボ64ではそのマップの広さと読み込みの早さにさすがロムカートリッジと感激、64「リンクバトラー」なるゲームボーイソフトと連携いたしまして強化したゴーショーグンやマジンガーを送れば初手から強化されたユニットを64本体で使える仕組みがあり、α外伝やインパクト以後本格的になる引き継ぎ要素の先駆けだったシステム、快感を覚えました。
続いて購入したサンライズ英雄譚2が驚くかな戦闘シーンは勿論全イベントシーンがフルボイスだったことに頗る感激を覚え、まだスパロボでは影も形もなかったボトムズが丁度その頃遊んでいたタイピング練習ゲームの題材だったことも手伝い世界観に興味は増すばかり。Another Century's Episode 3、こちらも中途のブリーフィングや会話パートがフルボイス。更には戦闘中ボーカル入り楽曲が流れる落涙禁じ得ない進歩にウイングゼロカスタムのローリングツインバスターライフルを厳戒突破改造でリロード無しにして回しまくる掃除の気持ちよさが重なりえらいことでした。そうそうリーンの翼とはここで初対面だったのです。A.C.E;2もベスト版のボーカル入りBGM版を購入、ラストステージが連続ミッション、場面転換に連動しマクロスの「愛・おぼえていますか」が流れる中の掛け合いは登場作品の皆々様で行われるからしてバニング大尉のコウ・ウラキに向けた「やるようになったな」との賞賛には感動の嵐極まる熱さ、筆者にとってあれは確かにゲームプレイでしたが同時に経験した」「出来事」だったと強く確信される次第です。
その後もMXでラーゼフォンを楽しみACEシリーズでブライトさんの遺作となった初代をプレイし余りに気高い結末とオープニングに落涙し、ACE Rでは「ランカちゃん・・・」の曲が収録されているムービーだけカットできない契約が利便へ優越する最前線仕様に半笑いなりつつもアクエリオンが神秘的なのでアニメを見てみたら不動GEN指令と出会えましてありがとうございましたの心持ちを頂け、アーカイブスで購入した第2次第3次EXの3本はオープニングとエンディングのテロップさえフルボイス、α以後音声演出が減る傾向を考えるとウインキーソフト様世代からの退化もあったと勉強になり、そうかと思えばPSPで出た魔装機神IIではインターミッションメニューがフルボイスのナビゲーションが実装されとてもスクリーンリーダーで。
スーパーロボット大戦シリーズでは連綿たる基本システムの進化が進み、結果「スーパーロボット大戦UX」がユニバーサルデザインなUIを実現されておりましたのでこれはご紹介せねばと本文書を書き始めた次第です。
ここでこうしてご紹介いたします日を心から待ちわびておりました。
入り口は「かがくの ちからって すげー!」
さて、便利を希求する思いは即ち科学の進歩と発展をもたらします。そんな科学の発展を空想、あるいは想定して誕生した様々なロボット。たとえばコンバトラーVは腹部に内蔵した小型原子炉を動力に動いているのですがこの設定も1976年たる当時の時勢、高度経済成長と新エネルギーたる原子力の普及から想定された莫大なる夢のエネルギーを1台のロボットの動力として動かしたらどれ程のパワーであるか、そしてそれを用いて語られる物語にあるキャンベル星人全滅だな復讐劇とガルーダの悲哀なる多面的な魅力。そうしたドラマが生んだ数々の浪漫に魅力のあればこそ、ラインバレルにマクロスFにデモンベインとその血脈が連綿引き継がれている現代の名作達がなお光り輝いているのだと思います。即ち進歩・発展の浪漫。
その浪漫を題材とします数々のロボット作品をクロスオーバーし、同一世界館内でひとつの物語とする。スーパーロボット大戦はそんなシナリオの上で展開するゲーム作品です。
このクロスオーバーが熱いのは、そうした「ロボット物」に共通する浪漫、夢、希望が作品を超えて重なり、時に一致するからこそに相違なく、そして…そんな本シリーズについて、そしてそれらロボットも驚きの勢いで進化したシステムの威力を持って、より多くの人が遊べるタイトルとして完成されている本作は本当にロボットを題材としたゲームなのである(西博士)とシミジミされるのです。それは何故か、順に見ていきましょう。
About>
本作ジャンルはシミュレーションRPGであります。敵勢力味方勢力それぞれがコマ(ユニット)を持ち、マス目で区切られた盤上で交互にそのコマを動かしあいながら移動・攻撃を指示、相手を最後に全滅せしめた側の勝利となります。将棋のようなルールとお考えください。
注目なのが本作ゲーム部分の多くを視力を必用せず行える事実です。具体的に要素を列挙しますと…
- LRボタンでのユニットの選択(上下左右キーで盤上をカーソル移動しユニットを視力を用いて選ぶ代わりとなる)
- 「移動」実行後に再度Aボタンで最も自機近くの敵に隣接するようにカーソルが動き、再度Aボタンを押すと移動が自動で行われる(SRPGの移動パートを視力を用いず行え、ユニットの種類を効果音で把握可能)
- カーソル移動音による表示画面の判断が可能
コマンド実行後「左右が動かない、上下は動く」ならば「攻撃」で武器を選択するリスト。
左右上下共に動くなら、精神コマンド(ユニット能力を一時的に上昇するコマンド)選択画面
左右上下共に音が鳴らないなら「移動」を実行した直後」あるいは「補給」「修理」を行った直後。LRボタンが無反応であればほぼ「移動」が実行されている。 - 戦闘アニメーションのOn/Off切り替えは攻撃直前画面でXボタン
- 会話パート中ならびにLR等でのユニット選択中はスタートボタンを押すと「中断セーブ」の確認ダイアログが出現し、
左 A と入力すると現状を保存。(中断セーブ後更に 左 Aと選ぶと中断メッセージ(フルボイス)を聴取可能) - 中盤から登場する出撃ユニット選択画面ではYボタンを押すと自動でカーソル現在位置から下にあるユニットが枠数満タンまで選ばれる
- フルボイスの戦闘シーン
- ユニット強化画面を開いて上を一度押すと武器改造が選ばれる、それを強化すれば搭載されている全ての武装に影響
会話パートにボイスがないことを除けばほぼ全ての場面を画面を全く見ずにプレイ可能と筆者を非倦怠に確認いたしました次第です。
勿論初回プレイでのメニューの把握、ターン終了方法の理解、「何をすれば何が成る」を最初に理解する壁がございます。
加えて勝利条件が「特定ユニットを特定地点に移動」する場合「初分岐 JUDAルートでの第8話 明日への道標」「次分岐のアメリカルートでの 17話 決別-ともだち-」等該当、これらは必ず視力を要します。
楽しむ心が力になる
必要な情報を得れば(これでもまだ十分ハードルは高いがそれでも)視力を必用とせず快適にプレイ可能なタイトルがあります事実はとてつもないと信じます。
ゲームとして遊べこそすれストーリーパートはボイス無しですし、重ねて書きますが「楽しめる」かどうかは全く個人個人によります。「遊べる」と「楽しめる」は全く違います。
フルボイスとてそう悲観したものでなし、サンライズ英雄譚Rと2、ACE2と3、筆者が知る限りでもこれまで4作、全場面ボイスありのロボットクロスオーバー作品が発売されております。
後は全場面でなくともせめてストーリーの軸に関わる会話パートだけでもフルボイスとなったなら、少なくとも視力を用いない場合において完全に遊べ、そして楽しめるタイトルとなります。本作はそれだけでそうなる程に現時点でもとても遊びやすくできているのです。
筆者が今回購入しましたのは登場作品に引かれてのことでした。デモンベインが出るとあらばあらゆる艱難を超えて遊ぼうとの決意が高まりました。それは艱難を乗り越える美徳を魅力に描いた本作の魂に感化されればこそであって、そのリターンとしてドクターウエストのギター、アトランティスストライクの跳躍、ニトクリスの鏡での回避、レムリアインパクトでのナァカルコード送信する姫さんはあまりにも大きなものでした。最高でした。
確実に進化してきたシリーズ、ご自身の好きな作品がでているものを楽しむと目的と据えてひとりでも多くの方に一度触れていただきたいシリーズです。「楽しみやすい」ように作られている各システムにゲームソフトとして触れる楽しみを見いだしていただけることと思います。
今後も10年20年、本シリーズが益々幅広く遊ばれやり応えあるゲーム作品として進歩の続いていきますこと祈念いたしております。
それでは、今日はこのあたりにて。 魔を断つ剣は、まだ折れず…