Dies irae ~Amantes amentes~
ブランド | light |
ハード | PSP |
ジャンル | 学園伝奇バトルオペラADV |
備考 | フルボイス |
はじめに
皆様はどのように購入するタイトルを決めておられるでしょうか。
私はそれがノベルタイプのテキストアドベンチャーである場合、フルボイスであるかを重視しています。
それはもちろん視力の代用となるからでもあるのですが、主人公含め声の入ることでそれ以上に演者の皆様が演義に込められた解釈が登場人物へ加わることで機微深みが増し、主人公の魅力と他の登場人物との関わりのおもしろさが更に増す愉悦が大変癖になっている、こういった要素もございます。
ボイスはOn/Offできるのがシステムの威力なれば好みの調整も叶うこと、そうした具合でフルボイスと狙いを定め新作旧作探し出し、思い出となる作品を見いだし楽しんでいるのです。
そんな中出会ったこちらのタイトルとこのプロモーションムービー。
買おうとなるのに時間はかかりませんでした。
まず謎の理由で殴り合い入院との冒頭に事情と魅力を感じ、それと第三帝国がどうからむのかが全く想像叶わず、即ち未知、未体験の予感が思われそれを解明したいと思い買ったのです。
そして「●過去発売されたすべてのドラマCDがゲーム内に収録」との宣伝に心引かれた次第。主人公含めフルボイスとの確証をより深めたのはこの一文あればこそ。
私と本作との出会いを簡単に紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか。
皆様もぜひ上記リンク先を一読いただき願わくば本作を共に楽しめますことを願っております。
内容
オーソドックスなノベルタイプのテキストアドベンチャーです。
画面上の文書を読みながら時折表示される選択肢を選びエンディングを目指します。
本作には所謂バッドエンドが存在せず、どの選択を行っても必ず何らかの結末へ至り、クリアしたシナリオが増えるほどに選択肢が追加され、そちらを選ぶことで新たな物語を読み…これを繰り返してゲーム全体を貫く巨大な物語を紐解く構造となっております。
さて、このシステムでADVを遊ぶに当たりトライアンドエラーが楽な構造なら良いのですが、特に本作PSP版は残念ながら本作の既読スキップ速度が然程早くないこと、そして四角ボタンを入力し続けスキップされる仕様なため(指を離したら止まる)、やり直しは正直結構つらい作業となります。
この打開には分岐毎セーブデータを増やすなどの工夫が必要である可能性が思われ、残念ながら「攻略」を楽しむ意味では遊びにくく構造されている本作、攻略サイトなど閲覧されつつ物語の内容を読むことそれ自体に注力されるのがよろしいようにも思います。
中身が圧倒的に濃厚、毒にも薬にもなればこそ残念なポイントにて、予め。難点も、それが承知の上での残念は、存外嚥下の叶うもの。結果この情報が、本作PSP版のプレイを楽しいものといただける結果を呼び寄せることとなりましたらそれは何よりと存じます。
そのうえでぜひ、クリスマスの諏訪原市へ遊びに来てください。
物語
様々な人々が孤軍奮闘力を尽くし理想を求める物語、皆様凄絶に、自らの思うところを目指しておられます。
努力は美徳なりや。努力=かっこわるいとの主義が残念かなこの世には厳然と存在します。
それこそ価値観のことですからそれはそれ、そのうえでご自身が努力を好いておられる、そんな貴方にこそ、あるいは日頃意図するとしないとに関わらず努力している、努力させられているそんなあなたにこそ様々な不屈の形が描かれる本作は大変楽しくプレイいただけるのではないかと考えます。
努力の反発や衝突が映し出す模様とその中心には多角的な事実が表出します。
それが「多角だ」と自然思える脚本は白眉であり、その故を考えたなら登場人物全員が「本気」だからこそ生じた空気だったと遊び終わりあらためて思うのであります。
巨人の星は確かに大げさな描写が面白いですがそれ以上にかっこいいよなと、これはそうした議論と似ているでしょうか。
時代に関わらず私も「努力=かっこいい」と信じる者のひとりとして、ぜひ皆様へ本作をrespectさせていただきます。
物語冒頭、こんなフレーズが現れます。「自分の人生を小説と考えたとき、その主人公である自分の紡ぐその物語は面白いのか?」と。
本作のプレイ経験が、時に面白い物語(人生)を過ごす、切っ掛けになるのやもわかりません。
おわりに
本作のとある中心人物が申しました「陳腐な筋書きだが、役者がいい」との評。
物語自体は確かに明快、日常を奪われた主人公がそれを取り戻そうと孤軍奮闘する様子が描かれます。
それを描くに当たり登場人物全員の正義、主義、思想、心情、信念、理念、道徳、価値観を徹底し描くとどうなるか、こうなる。
種々の考えを「読者」たるキャパをして受け止めるのは実に刺激的で、思考の意味での脳トレがてら、一度遊んでいただけましたら嬉しく思います。
視覚補助情報
PSP版について、フルボイス、システムサウンドあり、カーソル移動音あり。よって、本作は些少の工夫で視力を一切用いずプレイとクリアが可能なタイトルとなっております。
以下にいくつかその論拠と要素を記します。ご参考ください。
1.オートプレイのOn/Offはスタートボタン
2.選択肢移動は効果音あり、表示直後はどれも選ばれていない状態
3.メニューは三角ボタン 横並び左右移動で左から順に
セーブ ロード ログ コンフィグ 終了
循環構造。
4.セーブはファイルを選び 丸 左 丸 セーブ終了後罰2回
5.コンフィグは次の構造。全てトラックバーのように値の上下を選び、右が大、左が小。
上下で項目移動 左右で値変更 値変更時に音が鳴らないので注意)
項目は上から順に
ウインドウ透過度(右ほど大きい)
オートモード速度(右ほど早い)
メッセージ表示速度(左ほど短い)
メッセージスキップ:既読 総て
システムサウンド音量(右ほど大きい 以下同様)
BGM音量
SE音量
ボイス音量
ボイスOn/Off個別設定
そして罰ボタンで設定を終了し反映できます。上下は循環します。
また、LRボタンで値を大きく上下できます(だいたい5段階)なのでLRで大きく設定、細かい値を左右キーで調整。そういう方法が良いように思います。
タイトル画面の構造
以下はダウンロード版の構造です。ディスク版では最下部にインストールが追加されています
- はじめから(カーソル初期位置)
- つづきから
- コンフィグ
- extra
another storyへの入り方
タイトル画面で 上 丸 上 丸
最終的に合計5つの物語が閲覧可能になります。
UMD版ではここでディスク入れ替えを指示されるのでご注意ください。
Dies irae ~Interview with Kaziklu Bey~
さて、PC限定で過去話がゲーム化されております。
ワルシャワからカチンの森へと運ばれる物語、登場人物既知である必要を思う冒頭からファンディスクな一品ながらそれはさて、存外平和な様子が見て取れます。
本編を全て味わい、更にこの味わいへ身を浸したい場合に選択肢がこうしてあるのは有り難いことと思います。
プログラムを一度でも起動したらば
HKEY_CURRENT_USER\Software\light\Dies irae ~Interview with Kaziklu Bey~
というレジストリキーが現れますから、そこの値を
AutoSpeed 種類: REG_SZ データ: 0
InputComment 種類: REG_SZ データ: FALSE
MessageSpeed 種類: REG_SZ データ: 9
などとして、更に
HKEY_CURRENT_USER\Software\light\Dies irae ~Interview with Kaziklu Bey~\Sound
を開き、
BGM 種類: REG_SZ データ: False,45
などとされると丁度良いかと思います。
オートモードOn/OffはAキー、セーブはSキー、ロードはLキー、タイトル画面へ戻るのはTキーです。
多くはこれにて突破の叶うところでしょう。
ご武運を。