機動戦士ガンダム ~戦士達の軌跡~

ジャンルタクティカルACT
ハードニンテンドーゲームキューブ(Wiiでもプレイ可)
開発元ベック

はじめに

ゲームを表現する上で必要な性能というものは確実に存在すると思う今日この頃です。
具体的には新たなジャンルの誕生に、ハードのスペック的進化はかなり重要な役割を果たすことになる気がします。
そして、ファミコン、PCE時代に産み落とされた様々な名作、メタスラや92烈火、天外魔境2を踏まえた上で、その延長としてのゲームとしての表現領域にフォーカスして少し考えてみようと思います。

例えばオメガフォースさんの代表作である無双シリーズですが、一騎当千の爽快感を演出すべく大量の雑兵を描画し、ただ描画するだけでなく1体1体に当たり判定と体力を付けて、それと同時並行的に洗浄全体の敵味方の体力/指揮/イベントフラグの発生がリアルタイムにフックされ、敵将との対戦では相手の格ゲーレベルな反応をかいくぐってダメージを与える方法や立ち回りを考察する。そして場面場面にフルボイス演出での物語展開がある。…という一連のゲームとしての流れ。これは、ある程度以上のCPUとGPUとメモリが無ければ確実に実現できない要素に満ちています。
もっと単純に、スーパーマリオ64。3Dスティックを使って3D空間を自由自在にうろつくということそれ自体も、やはりある程度以上の性能が無ければ実現できない要素です。
これらはまさしく、本体の性能向上が「ゲーム」そのものに良い影響を与えた例であります。
単純に性能が上がることで「できること」が増える訳です。  それ故に時々そのできることの選び方を間違えて聖剣伝説4のような悲劇としか言いようのないMONOが産み落とされたりするのですがそれはそれ、面白いゲームを作ろうと志されている開発会社さんに関して、まず高性能ハードに対面しては面白いゲームをその性能を用いて作られる傾向にあるように思われます。
そして今日のお題である「機動戦士ガンダム戦士達の軌跡」。本作も、ゲームキューブというハードがあればこそ実現できたソフトではないかなと思えてなりません。

どんなゲーム

PS2などでもよくある、敵をロックオンして撃ったり切ったりしながら勝利していくオーソドックスなガンダムACTです。
ジャンル名の「タクティカルACT」について。これは、AIで動いている味方MSに指示を出して特定敵の撃破や自分の援護などを指示しつつすすめていくことが出来る、というゲーム性を説明した表記です。
自機についても方向キー左をお酢といつでも強化コマンド(スパロボの精神コマンドのようなもの)が使えて、それにより敵への遠隔射撃の命中精度が上がったり武器の攻撃感覚が密になったり、攻撃力があがったりします。
こうした要素を駆使しながら、自キャラの強化以外にも頭を悩ませ進めていくという部分をして、本作はタクティカルなのです。

そしてこのゲーム性に由来して、難易度はかなりの高さをほこります。
具体的には、デモンズソウル/ダークソウルよろしく死にながらやられながらクリアを目指す案配の難易度とご了解いただけましたらという感じです。
ステージをクリアしていくことで得られる経験値やスキル。これらを活用しながら少しずつ進めていく。詰まったら別シナリオや前のステージでレベル上げやスキル獲得に励むなどしつつ遊んでいくのが良いように思われます。

演出

ステージ前にはプレイヤーキャラによるフルボイスのストーリーダイジェストが流れます。これで原作を知らなくてもその戦いに至る経緯がすんなり理解できる案配です。
その説明を聴きながら、スキルセレクトやステージの初期配置などを決定していくのです。
ステージクリア後にもこれまたフルボイスのシナリオ解説がリザルト画面に重なって流れ、ブリッジとしてこれ以上無いフォローをいただけます。
ゲーム本編のデモシーンはフルCGアニメによるリアルタイムアニメを採用。特にソーラレイやア・バオア・クー周辺の演出はかなり圧倒的なのでぜひ多くの人に見ていただきたい感じです。
トップ画面から行けるキャラ辞典にはプレイヤーキャラが全員登録されていき、開くとその内容をフルボイスにて説明してくれます。くれるのですがこれが少しすごい。本作は基本的に宇宙正規0079を舞台としている関係で初代ガンダムが題材なのですが、全キャラがZ・ZZ・そして逆襲のシャアに至るまでに描かれた内容を踏まえたテキストで紹介されています。
同様トップ画面から行けるMS辞典には、アムロの声優さんでおなじみ古谷徹さんによるこれまたフルボイスのモビルスーツ解説(カーグラフィックTV風)がプレイアブルのMS全てに用意されています(つまりコアブロックの初代ガンタンクと量産型ガンタンクが別個に紹介されているなどです)。
この内容も0080以後を踏まえた内容(ジオングやエルメスの項に顕著)となっていて、更にたまらないものがあります。
ただ一点、ゲーム中に一切の挿入歌が流れない。演出面で残念だったのはまさにそこだけ、それほどに他の部分が光る、可能な部分を徹底的に作り込んだ素晴らしい作風と思いました(不景気ってやですね)。

終わりに

本作はもっと知られていいタイトルに思います。
何はなくとも「試行錯誤」を大切にしたゲーム性は、どうやって相手をねじ伏せるかを自然とプレイヤーに工夫させゲームとしての本作の面白さをより広く味わえるようになっています。
その結果としてのご褒美が圧倒的に豪華な各種資料集と次のシナリオの解放というわけで、緩急も明瞭なとてもいいゲームだと思います。
Wiiで遊ぶとドライブの仕様のためか少しロード時間が短くなるように感じられました。またグラフィックもちょっと綺麗になった気がします。
なので、今からでもぜひ探していただいて、日曜の夕方とかにゆっくり時間を付くって腰据えて遊んでみて下さい。
気軽に手軽に遊べるタイトルでないのは確かです。ですが高難度ゲームの面白さは確実にあるタイトルでもありますので、その上で機会がありましたらぜひ遊んでみてください。
  では、今日はこのあたりにて。

* 折々視力を要するミッションがありますので、プレイの折にはご注意下さい。

 前のページへ戻る 本文の先頭へ戻る