絶対ヒーロー改造計画
メーカー | ニッポンイチソフト |
ジャンル | ローグライクRPG |
備考 | 主要イベントフルボイス |
ダウンロード版入手先 | Switch |
はじめに
チュンソフト様の「不思議のダンジョンシリーズ」として知られますローグライクゲームとは、通路とお部屋がランダムに組み合わさり生成されるダンジョンを探索し、起こる出来事、敵やアイテム、罠の情報を蓄えながら、コンピュータが生み出すランダム要素へ知識と経験で挑むジャンルとなります。始祖「ローグ」のUNIX版が発売されましたのは1981年。家庭用ゲーム機では、ドラゴンクエスト4のスピンオフ作品として発売されたトルネコの大冒険(SFC、1993年)により本ジャンルは広くゲームユーザに楽しまれました。あらゆる行動をとるごとに減少する満腹度がなくなる前に食料を得ねばならず、特定のフロアでレベル上げし続け、後半で圧倒的優位を得る戦略がとりにくいようあえて作られたゲームデザイン。一度志望しましたら、所持金はもちろんのこと入手したアイテムや装備を全て失いレベルは1に戻ると、まるでシューティングゲームのような仕様。冷静に考えますと実に難しく見えます内容を、チュンソフト様のトルネコでは「お店の発展」と「しあわせの箱を持ち帰る」とのこれら目に見える成果を描写され、失敗時に全てが失われたわけでないとプレイヤーに示してくださり、未来への希望を繋いでくださりました。
その後、スクエア様のチョコボの不思議なダンジョンシリーズ、Sting様のバロックシリーズ、チュンソフト様オリジナルブランドの風来のシレンシリーズと様々発売され、ローグライクゲームは1ジャンルとなりました。
同ジャンル内にシリーズが増えるにつれ現れますのがタイトルの個性であります。ダンジョン内でやられてもレベルがリセットされないもの、部屋と通路とのダンジョン構成部品概念から脱却し、渓谷や樹海などをマップチップに取り入れた作品、ダンジョン内から別のダンジョンへ「移動」可能な仕組みを入れられた作品。
今回ご紹介します「絶対ヒーロー改造計画」も、個性の輝くローグライクゲームの一作なのです。
ゲームの構造
カメラは上からの2D見下ろし視点、カメラ固定。
ダンジョンは移動可能なマス(通路や部屋)と移動不能なマス(壁や障害物)でできており、1歩移動、1階攻撃、アイテムを使う等の一つ一つの行動で「ターン」が消費されます。
こちらお一つ行動する毎に敵も1行動。そうして連なる交互のやりとりと判断の連続で戦い、探索、フロアに設置されたゴールを目指すことを繰り返すものとなっております。
ダンジョンRPGとしての特徴
本作は、志望するとレベルが1になる種類の作品です。
しかしそこはインフレーションの心地よさを伝導されます日本一ソフトウェア様、ダンジョン内のレベルと違い「トータルレベル」は経験値を積むことで上りましたものは維持される、(1にもどらない)。得られる恩恵は大きく、レベル1(初期状態)でのパラメータの上昇、ダンジョン内でのレベルアップ時の能力向上時の補正など、様々にあります。
トータルレベルを上げダンジョン内で様々に手に入るアイテムを「チップ」体に埋め込み、結果パワーアップと成す仕組みと合わせての育成。本作の育成全般のキモとなります。
であれば安心してダンジョン内でやられられますわけではなく、レアアイテムを持ち帰るまでの緊張感、お金を預ける場所は銀行でなく保険屋で掛金が送還毎に引かれ、手持ちの資金がロストしたら自治津に一瞬で金欠となるバランス(実家にも仕送りせねばならぬ状況がその絶望にさらなる拍車をかける)。ダンジョンRPgの緊張感とRPG的成長要素を実に絶妙に折衷された素敵バランスのゲームなのです。
そしてヒーローモチーフ作品で欠かせないのが装備品です。あらゆる装備アイテムに固有グラフィックが描かれ、ここでも自分だけのキャラを拘りの喜びが花を開きます。
さて、本作装備品とは、主人公のパラメータに一定量の上昇を与えるものが過半の事実。「攻略」を突き詰める場合、各装備固有の「スキル」を重視するのですが、お気に入りの装備をメンテし使い続けるプレイスタイルでも、少なくとも1週目は十分に楽しめるバランス。浪漫許容の案配で本作が作られている事実から、本作からにじみ出る暖かさを感じずにはいられないのです。勿論、2週目3週目で練武ダンジョン(レベルアップ用のダンジョン)の中級上級に挑む場合は話は変わります(今で言うエンドコンテンツですね)。
物語
あらゆるヒーローがヒーローになるため修行を積む「裏地球」は、現実の地球に住む人々とリンクする形で様々な悩みや苦悩がモンスターやダンジョンの格好で顕在化している土地である。
正義のヒーロー・絶対勝利マケレンノジャーこと一文字ピロ彦はラスボスとの決戦に向かう途中、交通事故により命を落とす。
彼が息を引き取る直前、偶然横を通りかかった主人公へと変身ベルトを託すのだった。
ラスボス、田中デスダークのもとへと赴く主人公。しかし初戦がラスボスでは歯が立たず、ドラクエ4のような戦闘画面の中彼もまた虚空の彼方へと飛ばされてしまうのだった。
意識を取り戻した主人公は、裏地球のヒーロー育成機関に収容されていた。
成り行きとは言えラスボスと戦う宿命を背負う主人公の長き修行の度、そしてラストバトルが幕を開けようとしていた。
題材
依存対象の消失、職難、世間体、片思い、ネグレクト、米国流正義、自信喪失、家族の絆、天才の孤独。
1話1ダンジョンの尺にて上述の命題が痛快に解決されます様子とは、実に楽しいものがあります。
現実はとかく大変で本作で描かれる描写は理想論を包含いたします。が、まず実際を直視する行程を全場面で冒頭に描かれてから解決へと話が向かわれる構造なので、説得力のある腑に落ちるシナリオでございました。
子供向けと直覚された方、それが肌に合わぬとお感じになられたらしばしコントローラーを置くのをお待ちいただきまして、…2話ラストまでどうかプレイを頂きたい。不器用なりにひっしにあがく人間の美しさをプレイヤーのインタラクティブな介入により体験として描かれた。「ゲームであればこそ描かれた内容」を体験頂けます。
ともすると本品のプレイで「裏地球の貴方(プレイヤー)」も救われる。その様子を思い描かれつつ本作をお楽しみになられ、最後の「感動の共有」が果たされますこと、お待ち申し上げております。
終わりに
本作は厳然たるRPG、視力必須です。日頃視力を用いずゲームを遊ばれている場合は、ぜひご家族やご友人とお誘い合わせの上お楽しみいただけましたらと存じます。
絶対ヒーロー改造計画(通常版 アマゾンで購入)