エヴァーメイデン ~堕落の園の乙女たち~
ジャンル:百合ミスティックホラーADV
対応ハードウェア:PS5 PS4 Switch
ダウンロード版入手先:PlayStation STore My Nintendo Store
公式サイト:https://www.entergram.co.jp/ever-maiden/index.html
視覚支援情報:主人公を含めたフルボイス仕様、システムサウンドあり、PS5にて視力を用いずプラチナトロフィー(完全クリア)の取得が可能(筆者談) 体験版あり
切り開く未来への壁としてのシステム
分岐の選択結果が直接主人公の運命をダイレクトに決定する。始祖たるかまいたちの夜では自然であったテキストアドベンチャー、ノベルゲームのギミックは時代と共にシナリオ選択メニューへと洗練を遂げ、いつしか超えるべき壁ではなくメニューのようになったものでございました。
本作が有しておりました選択の結果により必然性あるバッドエンドとハッピーエンドへ到達します王道の構造に大変感激いたしたのであります。
終盤にありますとあるバッドエンド(フラグ管理の関係からどうしても最初からプレイを開始せねばならないハマり状態)に立ち至り、あらためて気をつけながらハッピーエンドへ至りましたときの達成感には、とてもみずみずしい美しさがあったとお伝えせねばなりません。
ゲームとして提示される壁を視力を用いず突破できる方法があり、インターフェイスがあり、試行錯誤し実現する。もう一度申しますがとても貴重です。
読むのみではハッピーエンドへたどり着けないが、至るべく知恵を尽くし工夫を尽くせば未来が開かれるバランス。これら要素を良さそうだと思われました皆様、どうぞ手に本作をお取りください。人情とSFのマリアージュを心ゆくまで愉しんで頂けることでしょう。
概要
テキストアドベンチャーであります本作。
ゲームは次の流れで進行いたします。
1.会話パートを読み進める(L1ボタンでオート進行On/Off切り替え可能)(視力を用いない場合、オートモード進行速度、メッセージ表示速度は両者とも最速への設定変更を推奨します 方法は後述)
2.時々マップ移動パートが挿入。鳥の鳴き声の後ピアノBGMとならば多くはマップ移動パート(例外あり)
マップ移動パートでは上下左右ボタンで移動先を選択(カーソル移動音あり)、罰ボタンで移動先決定。
場所移動後は会話パートを読み進める。
マップ移動パート中、四角ボタンでメニュー表示可能でそこからセーブ、ロードも可能
3.物語中盤からは選択分岐が出現。選択分岐の出現はカーソル移動音により通知されるので、慣れてくるとサウンドから確認可能。
上下で選択肢を移動、罰ボタンで選択を実行。
選択肢表示中、やはり四角ボタンのメニューからセーブやロードが可能
とてもシンプルです。
上記のUIを各種のカーソル移動音、決定キャンセル音、システムサウンドが支えます。
つづいてハッピーエンドへ至る道を攻略情報として少々。
大丈夫です。何のことはありません。
「もう後が無い」ことが十重に把握される局面にあっては、選択肢の表示やマップ移動パートの出現時はセーブデータを複数作るよう気をつける。
ご武運を。
おわりに
18世紀仏蘭西の作家マルキ・ド・サド先生の著作を筆頭に廉恥心とピューリタンへのカウンターアタックとして、美徳と悪徳は土地土地の文化により変化する非常に危うい曖昧な概念であると語られているのですが、善悪への概念について主人公アルエットがこれに大変近しい価値観を語るシーンへ感動いたしました。
「メイデン」と呼ばれる無から有をエテルなる元素(エーテルを原典とする物質と思われる)を用い厳密精密に作り出す(造化という)専門職を育成する学園プレラリウム。
この学び舎へ名前以外の記憶を全て失った主人公「アルエット」が全裸で辿り着き、世話役のマコーちゃんに拾われるところから物語は幕を開けるのでございます。
名前のみの記憶でも言葉は話せる、生活には支障が無い。そのような状態から(つまりプレイヤーと近しい知識量の状態から)プレラリウムでの生活を継続することにより、徐々に明らかとなる真実へ接しながら「私はどうするか」の意思を練り上げてゆく。
生来がいい子なパーソナリティ満々とするアルエットへ内在する利他と利己のバランスはおそらく感情移入しやすい種類ではないかと考えます。
そうしてナビゲーターとしての主人公に入り込みながらプレイしておりますといつの間にやら抜き差しならない状況へ入り込んでいて、どうあっても状況解決へ挑まねばならない状況を理解することとなります。
現実でもそうです。やっかい事はこちらからでなく概してあちらからやってくること。防衛せねばならないし、備えねばなりません。
本作の教官キャラなるアドラー先生は仰いました。「不測の事態でこそ平成であるように」と。そうあろうとして全員が努力すればこそ、否応なく翻弄される状況からの脱却は必要な未来への戦いだと自然に認識されます。
あまり色々とは申しませんから、どうか以下の情報を参考としていただきながら
テキストアドベンチャーのひとつとして本作をどうぞお楽しみください。
一つ申し上げたいのは、しっかりとゲームでした、ということ。
壁があり難局があり、失敗がありそのうえで挑み成功できる、実に実に、ゲームらしいゲームソフト。
問題課題に直面するテキストアドベンチャーは少なくありません。
が、物語の中の登場人物が困るばかりで我々プレイヤーは読んでいるだけ。こういった作品は決して少なくない。
重ね重ね申しますが、本作には挑むべき壁としての要素があります。
ここへぜひ期待を頂いて本作を入手頂けましたらと思います。
果ては視力を用いず、私のようにプラチナトロフィーを入手されるパターンもあり得ようと思います。
どうかお楽しみにいただけましたらと思います。
そうして愉しまれた後は、本作で過ごされた皆様のお時間が、皆様の未来への糧として文字通りに「花開く」事例が全国で多発することを願わずにおれません。
キャナリー「プレラリウムへようこそ」
こちらの台詞を皆様が拝聴されることを心よりお待ちしております。
視覚支援情報
バージョンの違い
Switch版とPS4版が発売されております。
Switch版はサウンドがモノラル、PS4版はサウンドがステレオとなっております。
以下の説明は基本的にPS4版をPS5でプレイした際の操作を軸としますが、Switch版にあってもほぼご利用頂けます。
PS5で決定を担う罰ボタンがSwitchではAボタンで、PS5でキャンセルを担う丸ボタンがSwitchではBボタンであることにだけ気をつけてください。
動画情報
PS5、Switchでそれぞれに無料でプレイ可能な体験版がございます。
以下、動画でPS5にて体験版プレイの様子を収録いたしました。
1つ目の動画で上記しました環境設定でのオートモード送り速度、メッセージ送り速度最速への設定方法を収録しておりますのでどうぞご参考ください。
視力不使用プレイ概説1 視力を用いない場合に適すると思われるコンフィグ初期設定、マップ移動手順を実演
視力不使用プレイ概説2 タイトル画面からのロード、マップ移動先決定手順、ロード時確認省略手順、ログからのシーンバックを収録
視力不使用プレイ概説3 各所UI利用実演収録
視力不使用プレイ概説4 記憶の欠片回収手順、並びに体験版終了状況までを収録
視力不使用プレイ概説5 (視力を用いずエンディング後の家庭用版追加シナリオをタイトル画面から開く手順を収録){ネタバレなし}
詳細補助情報
私の独自研究なのでふわふわしておりますこと、ご容赦ください。
ゲームプレイ中の操作(PS5)
L1ボタン=オートモードOn/Off切り替え
四角ボタン=システムメニュー表示(L1ボタンでオートモードがOnとなっている時、四角ボタンは反応しない)
R1ボタン=既読スキップ
L2ボタン=シーンバック(警告ダイアログが表示され 左 罰 でシーンバック可能)
R2ボタン=シーンスキップ(ダイアログが表示され 左 罰 で次シーン(あるいは未読部分)までスキップ)
方向キー上=パラグラフ単位でのシーン巻き戻し
方向キー右=クイックセーブ(マップ画面では利用不能)
方向キー左=クイックロード(クイックセーブで保存した地点へ戻れる、マップ画面では利用不能)
三角ボタン=バックログ表示
罰ボタン=決定、メッセージ送り
丸ボタン=キャンセル、テキストウィンドウ非標示
共通事項
はい・いいえ問うダイアログは「左 罰」と入力することで「はい」が選ばれる。
「はい・いいえを問うダイアログで、上 罰 とすると、「以後この警告を表示しない」にチェックすることが可能。
(この状態で 下 罰 と入力すると「以後表示しない」にチェック状態で「はい」を選ぶこととなる。
システムメニュー
ゲームプレイ中四角ボタンでアクセス可能。
シューというサウンドで表示を確認可能。オートモード中はシステムメニューが表示不能なこともこのサウンドで把握できる。
メニュー表示状態で再度四角ボタンを入力すると「シュ」という効果音と共にシステムメニューが閉じたことが把握可能。
システムメニューは上下で項目移動。項目の選択状態(カーソル位置)は記憶される。
メニュー項目は罰で開く、開いた項目はまるで閉じることが可能。
項目を開いたとき、シュという音と鈴の音が同時になる項目が上下に3つ並んでいる箇所が確認できる。
上から順に セーブ ロード 環境設定 である。
セーブ、ロードはそれぞれの項目で罰ボタン入力後、罰 左 罰 で実行可能。
環境設定は項目を開いた後、L1R1でタブ切り替えを行い、上下左右で項目移動、項目移動後罰ボタンの入力(あるいはホールド(押し続ける)操作)により設定変更
環境設定 オートモード最速、メッセージ速度最速へのサウンドで再現可能な設定フロー
- 上記を参考に環境設定を開く
- L1で最も左のタブへ移動
- R1を3回入力
- 上キーを5回入力
- 左右移動可能を確認(ここが左右に項目が並んでおり、どちらかがオート、どちらかがメッセージ速度)
- 便宜上、ここで左右に並んでいる項目を項目1、項目2と呼称します。
項目1で罰ボタンを押したまま方向キーの右を長押し、あるいは連打する
その後で罰ボタンから指を離す。 - 先ほど項目1に行ったのと同じ手順を項目2にも実行
- 丸ボタンを押して設定画面を閉じる
環境設定 サウンド調整手順
- システムメニューから環境設定を開く
- R1を何度も押して最も右のタブコントロールへ移動
- L1を一度だけ入力(これでサウンド設定タブへフォーカス)
- 下を一度だけ押す(マスターボリュームへフォーカス)
罰ボタンを押しながら右を入力して最大にする - 罰ボタンから指を離してから、再度したボタンを入力する
ここはBGMボリューム。罰ボタンを押したまま左右にカーソルを動かし、程よいボリュームを決定する。 - 以下、SE、ボイス、システムサウンドと続く
- 全ての設定が終了したら丸ボタンで設定を終了する
マップ
鳥の鳴き声の後ピアノ音楽となった局面で出現する場合が多い(一部例外あり)
上下左右で場所選択
罰ボタンで移動先を決定する。
四角ボタンでのシステムメニューからセーブやロードが可能