ドラゴンドライブ　～ディマスターズショット～

ハード：ゲームキューブ
開発：トレジャー
ジャンル：レベル性３DSTG
備考：フルボイス　　GC用OVAディスクを同梱

はじめに

本作は、同名アニメのゲーム化作品であります。
体感型ゲーム『ドラゴンドライブ』が異世界とのトンネルの役割を果たし、その異世界の状勢を知る中で、徐々に主人公は自分の果たすべき役割に目覚めていく物語。
アニメ版と異なった物語展開、同梱OVAのシナリオとゲーム本編のEDに描写の違いがありますことが、アニメ版への「分岐の興味」を惹起する楽しさが素敵です。（ＯＶＡはアニメ版の後日談）。

特徴

本編中様々なカードを入手し、経験値取得や変身可能形態の入手などをしつつプレイヤーキャラであるチビを強化しながら、シルフィードのような３Ｄ奥スクロールパートとパンツァードラグーンのような３Ｄ全方位STGパートを場面場面でこなしていきます。
ゲーム部分はレイディアントシルバーガン、斑鳩等、思いの決勝のようなゲームを作り続けておられるトレジャーさんの開発。面白さは手触りから難易度の全てへ及び、その詳細は羽を様々に羽ばたかせるアクションによる空を飛ぶ気持ちよさに始まり、敵との空中戦も「地面への激突」を気にしなくてよいシステムがためにストレスフリーに堪能でき、変身フォームにより変化する攻撃方法を使い分ける楽しさ（ガンスターヒーローズのよう）も、かなりの愉快。
撃墜されても安心、経験値が取得されレベルアップ、カードが手に入れば形態変化が可能となり、クリアへの試行錯誤が可能、ステージ毎に進捗状況をセーブ可能、そして大変高性能なロックオン機能。「もう1回」と安心して思え、挑める環境がこの上なく充実して設備されている本作は、大変接しやすい作品でした。
唯一残念だった点が、初回プレイ時のみチュートリアルのプレイを強制されスキップできない、そこに視力の利用が必須になっている件、実にここだけでした。
そこさえ突破すれば全く夢のようなプレイ体験に迎えられます本作、ゲーム部分の面白さに加え、一方プレイ後にどうしても忘れられないのは、そのシナリオ描写の丁寧さであります。
こういったキャラクターゲームの多くは、
１．原作アニメのダイジェスト
２．既存ファンに向けたオリジナルエピソード
のどちらかが多い中、本作はアニメ版のシナリオを下敷きに再構成、別の物語として仕立てられるアレンジを行われておりました。文字通りの簡潔を向かえる必要がある構成故に、自然、結末の成立に向けた伏線や場面を本編内に描写する必要があり、それがためにこのゲームからはじめてドラゴンドライブ世界観に触れるユーザが、全く自然な流れで物語を楽しめるようになっている素敵さが凄いのでありました。
これは実に感動的なところです。ただファンに売れればいいとの妥協では絶対に行われない描かれ方。キャラゲをゲームに落とし込むお手本のような、究極的な逸品を体験いたしました心持ちに本作を遊んだ後でなりました。PS5で、PSVR対応されつつ4Kリメイク遊びたい。そんな至極の作品です。
アニメシーン以外は３Ｄポリゴンデモに２Ｄのキャラの立ち絵を重ねる仕組みで場面が描かれます。それがために物語世界とゲーム場面との「馴染み」が高次元で遂げられ、本作の雰囲気演出として綺麗にまとまっているところです。

おわりに

今接して十二分に楽しい本作。ゲームキューブがプレイ可能な未来がもしも訪れ、そのラインナップへ本作がもしも含まれたなら、またドラゴンドライブの流行が再燃してもしも本作がリメイクされることのありましたらば、そうした環境がありましたら、ぜひ遊んでみて下さい。

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